日本初の傘のシェアリングサービスである「アイカサ」を提供する株式会社Nature Innovation Group【アイカサ】の「営業代行による新規顧客開拓」と「営業スキームの蓄積・仕組化」の事例です。導入を決めた営業顧問 古堅さんにお話を伺いました。
私たち株式会社Nature Innovation Groupは、日本初の傘のシェアリングサービスである『アイカサ』というサービスを提供しています。
日本のビニール傘の年間消費量は、約8000万本。
ほとんどの方は、雨が降った後には捨て、また雨が降ったら購入するを繰り返しています。
雨に濡れない体験を、こうした消費ではない別の方法で提供したい。その方法の1つとして、傘のシェアリングサービスを選択しました。
アイカサはQRコードを読み込み、暗証番号を入力することで使用できます。グラスファイバー製なので、非常に丈夫であることも特徴です。
傘を借りる際、傘がキレイに畳めているかのアンケートに回答いただきます。回答内容によって、直前のユーザーが評価される仕組みになっています。
アプリのマップでは、アイカサが利用できるスポットの確認や、特定スポットの傘が何本借りられるか、借りた傘を返せるかなどが分かるようになっています。
傘のデザインにもこだわっていて、例えば、東京駅近辺には41か所のスポットがあるのですが、東京の昔の姿を見せたいという思いから、傘には江戸城をはじめとした古地図をプリントしています。
現在は西武新宿線、小田急線を中心に普及を進めていますが、2020年中には都内のほぼ全ての鉄道会社と提携し、大半の駅にスポットを設置できるよう活動中です。
アイカサの営業戦略として、優先順位の1番上に「鉄道会社」を置いています。2019年1月〜2月は都内で営業をしていましたが、なかなか好反応は得られませんでした。
しかし、5月に福岡市で40か所にアイカサを設置したり、6月には京急沿線で実証実験がスタートしたことをきっかけに、次第に市民権を得られてきたと感じています。
設置場所を増やすことが営業戦略のベースですが、それ以外に「オフィスプラン」というサービスにも力を入れています。
このプランでは会社にアイカサのスポットを置き、従業員の方々はオフィスだけでなく、東京で600箇所、全国だと750箇所(2019年12月時点)あるアイカサスポットも無料で利用可能です。
通勤電車では傘を持たず、駅で借りてオフィスまで行き、帰りは最寄駅に返すといった使い方ができるわけです。
戦略はあるものの、私たちの営業活動は、「リソース」と「スキーム」という2つの不足を課題に抱えていました。営業スタッフは優秀でしたが、人数が少なかったので鉄道会社以外に、営業ができなかったのです。
また、営業ノウハウも当時は「とにかく情熱を持ってサービスの良さを訴える」ようなスタンスだったため、ノウハウが蓄積できていませんでした。
いくつかの営業代行会社の方と話をしていたのですが、その時からセレブリックスの営業力の高さについて、多くの同業者から耳にしていました。
そんな中、セレブリックスの今井さんが私たちのサービスに興味を持ち、サービスをぜひ支援したいと言っている、という話を噂で聞いたのです。
スタッフの1名がそれに興味を持ち、問い合わせを通じてご相談をしました。
依頼内容は課題を解決すること。
1つは営業代行で、もう1つはスキームの蓄積です。何より、誰がやっても再現性がある営業ノウハウをご教示いただきたいと考えていました。
スタートアップ企業あるあるだと思いますが、内部体制が固まっていないため、どの活動も属人的になりがちです。これから多くの人材を雇用するという段階で、社内に仕組みがないと混乱が起きてしまいますので、営業部隊の仕組みづくりや運営方法、スクリプトの作り方や数字の出し方、分析の手順など、営業についてを一から学びたいと、考えていました。
せっかく営業のやり方を学べるのなら、中途半端より同業他社も薦めるトップ企業にお願いしたい、と思い、セレブリックスにご依頼する流れとなりました。
最初のうちは私たちが同行して、これまでの営業スタイルやアポの取り方などをお伝えしました。少しして、スクリプトやスキームが確立されてからは、完全にお任せしています。
結果が出るまでのタイムラグは当然ありましたが、徐々に契約へ至る案件が増えてきて、アポの獲得率も非常に高くなりました。
概算の数字ですが、週間ベースのアポ獲得率は依頼直後の0.8%から今では3.0%に達しています。これは、2018年2月に私たちだけで行なっていた頃より、2倍〜3倍高い数値です。
私たちの営業は、ロジカルよりも情熱をぶつけるようなスタイルでした。
セレブリックスの営業にも、もちろん情熱はありますが、それ以上に理路整然としているんです。
スタンスが真逆なので、ある日「もう少し熱をこめてほしい」とお願いしたことがありました。
するとそれに対して、「私たちは再現性を作り出したい。パッション重視だと、どうしても個人差が生まれてしまう。ロジカルなスキームにして、誰もが一定以上のレベルで営業をこなせるようにしたいんです。」と言われました。
その回答を聞いて、「彼らに任せれば大丈夫だ」と、かえって安心できたことを覚えています。
セレブリックスのメンバーは「5分だけお時間をください」と声をかけてきても、必ずと言っていいほどそれ以上に時間がかかります(笑)。
会社は違うのに、チームの一員という意識で取り組んでくれる。ここまで入れ込んでくれることに、強く感動していますね。
私たちは、セレブリックスに参画いただいて初めて、インサイドセールスのノウハウを蓄積できました。
まだまだスタートを切ったばかりの身ですが、同じ境遇にある人たちに伝えられることがあるかもしれない、と思ったからです。
お話をいただいた時は、素直に嬉しかったですね。
個人的にも、人に伝えることは自分の勉強にもなりますし、これまでの活動の振り返りになるとも思いました。当日は緊張して、全く話せませんでしたが(笑)。
周囲からも多くの反響をいただきました。
社内には私だけでなく、インサイドセールスについて伝えたいことがあるメンバーがたくさんいますので、今後もこうしたイベント登壇には、積極的に協力させていただきたいです。
私たちは最終的に、年間8000万本の傘の消費量を0にしたいと思っています。
雨の日に憂鬱な気持ちを抱く人に、少しでもハッピーになってほしい。そのためにできることは何でも取り組んでいきますし、私達だけでできないことは、今後もセレブリックスに協力いただきたいと思っています。
取材協力:株式会社Nature Innovation Group【アイカサ】様
取材:髙橋佑甫/撮影:サトートモロー
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