SFA活用のための6つのポイント
今回のコラムはご相談を受けることも多い「営業システムを整えたのに活用されない…」このような悩みに対して、導入と定着をまとめたコラムとなります。SFAやシステムの見直しや導入を検討されている企業や営業組織も多いと思いますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
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SFAやシステムの導入・定着を実現する3つの要素
「営業に役立つITツールを導入したが、ほとんど活用されていない。」自社であれクライアントであれ、組織に新しいシステムやサービスを導入するだけでなく、それらを定着させて成果を出すためにはどうしたらよいのでしょうか?今回のコラムでは導入推進者や営業マネージャーの視点から紐解いていきます。
これらを定着させるためには、単に知識や活用法を付与するだけでなく、それらを補完する3つの要素を同時に組織にインプットする必要があります。その3つの要素とは、(1)論理、(2)情動、(3)運用合理性です。
簡単に言えば、
- 『論理』とは、なぜそれを導入するのかというロジックであり、
- 『情動』とは、新しいモノやサービスに使用者が好感を抱くように仕向けることであり、
- 『運用合理性』とは、新たに導入するモノやサービスが組織の既存のやり方や機能の仕方と抵触しないように配慮すること
です。
これらの3点を押さえることにより、導入のゴールが明確になり、メンバーに主体性が生まれ、納得感ある運用が可能になるのです。この3つの要素をもう少し細かく分解すると、新たなシステムやサービスを導入する際に、念頭に入れておくべきポイントは以下の6点挙げることができます。
SFAやシステム導入時に注意しておきたい6つのポイント
ポイント1・・・導入の理由・背景を示す
何をやるかだけでなく、なぜやるか、つまり導入の背景を伝えなければ、メンバーのやる気や関心は持続しないでしょう。例えば、営業改革のための施策であれば、今の営業スタイルを続けていると将来的にどのようなデメリット(例えば、機会損失の増加、信用の低下など)が生じるか、マネージャーやトップの口から具体的に述べることが重要です。
これによって、今は最適だと思っているやり方も、自社の長期ビジョンや市場の変化、競合の動きなどを踏まえれば変えていかなければならないということにメンバーは気づくことができるでしょう。
ポイント2・・・導入後の「目指すべき姿」を示す
次にすべきは、導入の施策の中身(つまり知識や方法)を示すことではなくて、新しい施策の導入によって、現状は最終的にどのように変革されるのかという明確なイメージを伝えることです。
これによってメンバーは自分にとって変化することの意味やメリットを具体的に実感することができるようになるでしょう。これができるためには、まずは導入推進者やマネージャー自身が、新たな施策に投資することによって組織をどう変えたいのかという明確なビジョンを持っていなければなりません。
ポイント3・・・「目指すべき姿」への道筋を示す
単に目指すべきゴールを掲げるだけでなく、どのようにしてそこに到達できるかというプラン、つまり変革のプロジェクトとしてどのようなアクションやサポートを打ち出していくか(例えば、研修やOJTの定期的実施、フォローアップ体制の整備など)を同時に示すことが重要です。
プロジェクトに沿って、どの段階でどのようなことを実践していけばいいのかが分かれば、メンバーは「これならやれそうだ」という期待を抱くことができるでしょう。
ポイント4・・・メンバーの不安・抵抗感を排除する
一般的に言って、人は慣れ親しんだ方法を新しいやり方に変えることには抵抗感を抱くものです。新しい施策の導入に対して、組織内や社内に顕著に抵抗する人がいる場合は、その人に影響力のある客観的立場の人に説得してもらう、新しい施策に接する機会を設ける(例えば体験セミナーに参加させる)など、コミュニケーションや機会の創出によって、事前に抵抗を回避したり、誤解を解くための対策を打っておくことも重要です。
ポイント5・・・リーダー自ら率先して実践する
プロジェクトの推進においては、マネージャーや導入推進者は同時にリーダーであり、メンバーをゴールに向かって鼓舞しなければなりません。
新たな変革の試みを導入したいその張本人であるマネージャーがその試みを実践せずに、メンバーだけに実践を強いることは、メンバーのモチベーションを著しく下げることにつながります。逆に、リーダーの率先垂範は、メンバーの心に訴えかけ、「自分も変革のために一翼を担おう」という気持ちを喚起させることにつながります。
ポイント6・・・既存のやり方との整合性を示す
いくら新たな試みを導入しても、それが組織の既存のやり方やシステムとバッティングしてしまうと変革は事実上進展せず、士気も低下することになります。既存のやり方やシステムとうまく連動・補完させるか、あるいはそれらをスムースに代替できるように、新しい試みの運用上のボトルネックを特定し、解消する努力が必要です。
例えば、営業進捗管理ツールを導入しようとしても、機能のある一部分(例えば、スケジュール管理、顧客情報管理など)が、自社の既存のシステムをうまく代替できないような場合、メンバーにとって、やるべきことが一本化されるどころか、逆に倍に増えてしまうという事態を引き起こしかねません。こうしたことが原因で、変革への士気が著しく減退してしまうことは多々あるのです。
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まとめ
以上のポイントを時系列的に考えてみると、新たなシステムやサービスを導入するには、導入時のみならず、導入前と導入後にも気を配る必要があることがお分かりでしょう。導入前には、コミュニケーションを密に取ったり、新たな試みと接する機会を設けることによって導入への不安や抵抗を事前に極力排除しておきます。
導入時には、知識・活用法を付与するだけでなく、導入の理由・ゴール・道筋と運用合理性を示し、導入が論理的に納得できるものであることを示します。導入後の局面では、マネージャー自らが率先して実践することにより、変革に向けての一体感が組織に生まれます。同時に、知識・活用面の導入後のフォローアップ体制を整備すれば、メンバーに更なる改善の機会や新たな発見を与えることができるでしょう。
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