受注確度を高める顧客事例の使い方。目的別で事例の見せ方を解説!
営業活動において、顧客事例を活用した方が良い…というのは周知の事実です。しかし、その実態は「事例活用だ!」と大号令のもと、とりあえず社内の事例を集めたり、お客様に事例掲載の協力を促したり、事例資料を作成したり…と、行き場のない手法論が横行していると感じます。今回は、営業活動における「顧客事例の活用」を一歩踏み込んだ形でご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.顧客事例の切り口は1つではない
- 1.1.ロゴ事例
- 1.2.活用事例
- 1.3.事実情報をまとめた事例
- 1.4.取材記事・取材事例
- 2.事例を活用する際に心掛けたいこと
- 3.事例を使い分けて受注につなげる
顧客事例の切り口は1つではない
ひと口に顧客事例といっても、その内容や効果・効能はさまざまあることをご存知でしょうか?もともとそのように体系的に整理されていた訳ではありません。結果論として「顧客事例にも異なる用途や効き目があるのだ」と、整理するなかでカテゴリーが見えてきました。
まず上記の図のように、『導入企業のロゴ』や『導入事例』『成功事例』『活用事例』とスコープの当て方や切り口によって、顧客事例コンテンツとして表現する具体性は異なります。
もちろん、ひとつの顧客事例コンテンツの中に『導入〜活用〜成功事例』を取り上げているケースもありますが、上記カテゴリーを意識すると作成しやすくなります。
ここからは、事例の種類に分けて説明します。
- ロゴ事例
- 活用事例
- 事実情報をまとめた事例
-
取材記事、取材事例
ロゴ事例
最も抽象度が高いものは、企業ロゴやサービスロゴを事例企業のシンボルとして活用するケースです。ロゴが掲載されるだけなので、どんな支援だったのか具体的な説明はありません。ロゴ事例の活用における効き目は、お客様に対する興味喚起や、対話の導入(きっかけ)です。
最も抽象度が高い、『ロゴ事例』
「あの企業でも利用されている…」という安心感が醸成される効果もあり、イメージ戦略に近くなります。逆に言えば、相応の知名度や識別力の高いロゴがないと、「大きな企業で使われていないサービス」というネガティブなレッテルを貼られるので注意が必要です。
活用事例
活用事例は、具体的なシーンや利用者、そして日常の業務の情景が見せたいときにおすすめです。「本当にこのサービスはいいのか」「実際に成果が出るのか」悩まれているお客様の背中を押すきっかけになります。
- 活用事例「取材」:具体的な活用方法や利用シーンまでお客様の言葉で語られている
- 活用事例「まとめ」:具体的な活用方法や利用シーンまでサービス提供側が要約して事例資料化している
具体的なシーンや利用者、日常の業務の情景が見えやすい『活用事例』
事実情報をまとめた事例
商談時に有効なのは、インタビューなどのストーリーを伝えていく共感型コンテンツではなく、数字に基づいた事実情報を端的にまとめた事例です。営業担当が商談で、営業資料とあわせて説明するツールです。必要があれば、口頭で補足を加えていきます。
- 【導入事例】導入することを決めた理由
- 【成功事例】導入後のメリットや成果
-
【活用事例】具体的な活用方法や利用シーン
商談で利用するのは、『まとめ情報の事例』
取材記事・取材事例
Webサイトや事例集のようなお客様内で閲覧されるコンテンツは、エピソードやストーリーが見える共感型コンテンツが優位となるでしょう。お客様目線で語られる活用方法やエピソードを知ることで、自社でのサービス導入をイメージしやすくなります。
Webサイトやお客様内で閲覧されるコンテンツは『取材事例』
これらは、何が優れているという話ではありません。
導入事例の方が、契約後の早いタイミングで掲載交渉を仕掛けられますが、成功事例や活用事例のような具体的なベネフィットや効果・効能が見えにくいです。一方で成功事例を集めようとすれば、交渉のタイミングを見誤るとその機会を失う恐れもあります。
リアルな話をするとすれば、商談中に、値段交渉を受け入れる際の引き合い条件として事例交渉をするカードは持っておきたいです。もちろん、0か1かで判断できるような代物ではなく、都度の状況対応が必要です。
事例を活用する際に心掛けたいこと
私が顧客事例を活用する際にアドバイスしているのが、「とにかく深く、当事者のつもりで語れるような事例を3つ用意する」ということです。この数が増えるのはもちろん歓迎です。しかし、多くの事例を広く浅く知っていても仕方ありません。
薄っぺらい事例をお客様に語っても見透かされ、的を得ないメッセージになるからです。特定のケースを、その営業担当やカスタマーサポート担当として深く関わった人物に憑依できるくらい「深く」掘り下げ、理路整然と語れるようになってほしいと思います。
こうしたケースを伝えると、「お客様は自分達と違う業界の事例を聞いても、メリットを感じていただけないのでは?」と言われることがあります。結論としては「その通り」です。そこで考えてほしいのは、『なぜ営業パーソンがいるのか』ということ。お客様の状況やニーズに合わせて、情報を加工して届けることこそ、営業の介在価値ではないでしょうか?
当事者レベルで語れる事例があれば、商談しているお客様の状況やエピソードに対して事例を一度抽象化し、その上でお客様に合わせて具体に加工して届けることができます。
例
「業界は異なりますが、弊社のお客様でCRMの導入と定着に全社をあげて取り組んだ企業があります。元々業界的にもテクノロジーの活用にアレルギーを持たれる企業でした。それは導入した今でも変わらず、苦戦しながらも全社員が取り組んでいます。
それはなぜか?彼らのユーザーがITやWEBでサービスを購入、利用することを求められているからです。そのため、予約や利用いただいたお客様の購買履歴などCRMを活用して、ベストなタイミングでより良い商品のご案内をすることが、ユーザーの購買体験を高めるために必要だったのです。このケースは業界こそ違えど、御社が顧客関係管理に力を入れる理由に通ずるものがあるのではないでしょうか」
このように、具体のエピソードを語れることで、お客様の価値観や考えを引き出すきっかけにもなります。ここが浅いケースでしか話せない場合、会話が進まず事例効果が半減する可能性もあるのです。
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事例を使い分けて受注につなげる
顧客事例にはさまざまな用途・効能があることが、お分かりいただけたでしょうか。顧客事例を上手く使い分ければ、『受注につながるコンテンツ』として長期的に活用できます。
とはいえ、情景が思い浮かぶようなエピソードの言語化や、お客様にささる言葉選びは簡単ではありません。事例作成前には、『どのような事例から優先して作成するべきか』という視点も必要になります。
「どのような言葉を選び、文章化したら良いのかわからない」
「どの事例を優先してコンテンツ化したら良いかわからない」
もしそのような困りごとがあれば、この相談フォームもしくは私のTwitter DMでも良いので一度ご相談ください。セレブリックスでは、営業代行だけでなく事例作成の代行や支援もおこなっているため、何かしらお役に立てるはずです。
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