「型化、見える化、効率化」の先にあるセールスイネーブルメント
近年BtoBビジネスに於いて「セールスイネーブルメント」という概念が注目を集めています。「セールスイネーブルメント」とは、効率的に目標を達成したい、と考えている営業組織にとっては今後注力していくべき重要な取り組みになります。
本記事では、「セールスイネーブルメント」の概念や取り組み方についてご紹介いたします。これから「セールスイネーブルメントに取り組んでいきたい」、「営業活動の改善・最適化を行いたい」とお考えの方に参考になる内容ですので是非チェックしてみてください。
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セールスイネーブルメントとは?
セールスイネーブルメントとは「営業組織を強化・改善・最適化するための取り組み」です。
営業パーソンの営業力強化のための研修や営業ツールの開発、営業プロセス分析のためのデータ集積等、営業活動に関わる取り組みの強化・改善・最適化を目指す、包括的な取り組みがセールスイネーブルメントという概念になります。ざっくりと説明すると、「営業組織のパフォーマンスを向上させるために、きちんと営業のデータを記録し、PDCAが回せるようにしましょう」ということです。
セールスイネーブルメントにより得られること
セールスイネーブルメントに取り組むことで、効率的に企業として目標達成できる仕組みが整います。
一口に営業と言っても、扱う商材や顧客属性、営業のフェーズによって様々な営業手法が用いられますが、状況が変わるたびに1からデータを集めたり教育プログラムを策定するのはとても非効率的です。重要なのは、”企業として”という部分で、営業メンバーが変わったとしても、商材・サービスに変更があったとしても、効率的に組織として目標達成できる仕組みを整えることです。
営業技術を俗人化してしまうと、トップセールスが退職して売れなくなってしまうという事態になってしまいます。
しかし、イネーブルメントの考え方が浸透し、企業として「営業組織を強化・改善・最適化するための取り組み」が出来ていれば、営業マネージャーが変更になる場合や取り扱う商材・サービスが変わったとしても、最速で「営業手法の選定」「日々の進捗管理」「改善施策」を行うことが可能になります。さらに、一度仕組みを作ってしまえばそれ以降はその仕組みを元に組織立ち上げや営業活動のブラッシュアップが行えるため工数を削減でき、その結果、目標達成の効率化に繋がります。
まず初めに着手すること
セールスイネーブルメントの実現のために、まずはデータの可視化と営業インフラの整備に着手しましょう。この2つを行うことで、勝手にデータが集まる&ブラッシュアップされる環境が整います。
データの可視化には帳票やSFA、CRMなどの営業管理ツールを用い、営業活動を定量で収集します。営業インフラは、顧客とコミュニケーションをとる際の台本となるトークスクリプトや質疑応答をまとめたFAQ、商談時に使う資料などのことを指します。営業管理ツールで収集された定量データを元に営業インフラをブラッシュアップすることが、セールスイネーブルメントの第一歩になります。
SFA/CRMについてと、代表的なサービスを紹介すると、
・SFA
SFAとは、「Sales Force Automation」の略で、営業支援システム(ツール)と訳されるケースが多いです。顧客管理や案件管理、行動管理や予実管理など営業を見える化することができるツールです。
代表的なサービスとしては、Salesforce、kintone、Oracle Sales Cloud、eセールスマネージャー、Senses などがあります。
・CRM
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略。顧客関係管理、または顧客関係管理を支援するためのシステムです。顧客情報の一元管理機能、マーケティング機能、カスタマーサポート機能等が備わっており、顧客を見える化するツールです。代表的なサービスとしては、Zoho CRM、HubSpot CRMなどがあります。
また近年は、SFAはCRM要素のある機能を追加、CRMはSFA要素のある機能を取り込むといった形でそれぞれの機能を持つ統合型も多くなっています。いずれにせよ、企業の規模や状況によって合うものがあるため、ご興味のある方はぜひ調べてみてください。
セールスイネーブルメントを実現する上での注意点
セールスイネーブルメントを実現する上で、推進者の選定とツールの導入をする際には注意が必要です。一番やるべきことは、推進者にとってセールスイネーブルメントの業務が常に優先順位になる状態を作ることです。
理由として、セールスイネーブルメントは長期的に営業組織を強くしていく取り組みのため、重要度は高いものの緊急性が低い業務に位置づけられるケースが多いため、緊急性が高い業務に追いやられて後回しになってしまうからです。他業務を優先するあまりセールスイネーブルメントの取り組みが頓挫することのないよう、専任の推進者を設けることが理想です。
また、ツールの側面では、設計や構築に時間を費やしてしまいがちですが、そこに時間をかけすぎてしますと営業活動自体が停滞してしまうことにもなりかねませんので、ツールを活用する際はとりあえずミニマムでも「やってみる」ことを心がけましょう。
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まとめ
セールスイネーブルメントは「営業組織を強化・改善・最適化するための取り組み」で、行うことで「営業活動の効率化を実現」することが出来ます。これからの営業活動には欠かせない、重要な取り組みになってくると考えています。
是非、これからセールスイネーブルメントを推進していく際には、まずはデータの集積から着手し、そのデータを活用し営業活動を「型化」することで「効率化」を実現していただければ幸いです。
<著者:前原 朋之/西村 舞子>