有効商談数不足を解消する4つのステップ
商談を担当する営業パーソンであれば、容易に受注が可能な商談はありがたいですよね!
ですが、インサイドセールスが商談を創出し、商談担当にトスアップしてもなかなか受注につながらないなんて悩みを抱えている方が散見されます。では、営業組織としてはどのような工夫をすれば受注につながり売上に貢献できる商談を生み出せるようになるのでしょうか?
そこで今回は、有効商談不足を解消するための4つのステップをご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.ステップ1 有効商談の定義づけ
- 1.1.企業のセグメンテーションを行う
- 1.2.チャネルによってヒアリング項目を変える
- 2.ステップ2 定義した有効商談を生み出す流れを考える
- 3.ステップ3 事前準備
- 3.1.①営業活動前の準備
- 3.1.1.ターゲットリストを作成する
- 3.1.2.効率的にアポイントを獲得する
- 3.2.②接触前の準備
- 3.2.1.事実と仮説を準備する
- 3.2.2.状況に応じたソリューションを提供する
- 4.ステップ4 有効商談の管理
- 5.まとめ
ステップ1 有効商談の定義づけ
まず、企業によって有効商談の定義が違うので、定義を決めましょう。理想の有効商談は、受注に繋がる環境・状況が整っていて、極論、営業パーソンが会いにいくだけで契約に辿り着くような商談です。逆に、商談相手が決裁者やキーマンではなかったり、目的が曖昧でとりあえず会いに行ったりするような商談は有効商談とは言えません。
企業のセグメンテーションを行う
たとえば、過去受注に至った企業の分析を行い、ターゲット企業の以下のような情報を整理し定義できれば、有効商談は生まれやすくなります。
- 企業規模
- 社員数
- どういったツールを利用しているのか
- どんな体制なのか
- どのような環境・状況にある顧客が成約に至りやすいか
つまり、マーケティングチームやインサイドセールスチームは、その理想の有効商談に近しい環境・状況に該当する企業との商談を設定していく必要があるということです。
たとえば、営業組織の商談管理をSFAの活用によって管理している企業は、商談結果などの分析データを活かすことで営業の効率化を図りたい、という意図があることが予測できます。よって営業効率化が実現できるサービスなどは検討しやすいでしょう。この場合は、SFAを導入している企業という状況が有効商談になりやすいと定義できます。
チャネルによってヒアリング項目を変える
ただし、理想の有効商談を定義した時に、チャネルによってその定義が異なる場合があります。なぜなら、チャネルによって顧客の課題感や温度感が違うからです。イベントや広告、SDRの場合は、見込み顧客も課題解決に積極的なため、商談を有利に進めるための情報をヒアリングしやすいです。一方、BDRなどPUSH営業に該当する場合、見込み顧客との接触時においては温度感も低いため、情報を収集し環境・状況を同じように揃えるのは難しく、最低限の条件を決めてヒアリングをする必要があります。
たとえば、理想の状況や解決するメリット、課題を解決したいのかなど意志の確認をすることもできます。詳細情報を得ることは難しいですが、改善の意欲があるか、また得られる価値を認識しているかどうかを確認することは必須でしょう。
ステップ2 定義した有効商談を生み出す流れを考える
有効商談の定義が決まったら、その定義を満たすために、有効商談を生み出す営業フローやトーク、ヒアリング項目を決めましょう。たとえば、トークやヒアリングの場合は以下のような内容を、聞き出す項目として決めておくのも有効です。
- 現在利用しているサービスについて
- 改善要求やニーズなどの現場の声
- 問題が解消された際のメリット など
ただし、BDRの場合は上記のような内容まで聞き出すのは簡単ではありません。そのような場合は興味喚起や信頼醸成に重点を置きましょう。見込み顧客の温度感が低い状態のため、短時間で興味を持ってもらう必要があります。
流れを考えたら、有効商談が生まれたかどうかをきちんと検証し、フローやトーク、ヒアリング項目が最適かどうか内容をブラッシュアップしていきましょう。
ステップ3 事前準備
ここで必要な事前準備は2つあります。ターゲットを選定し効率的な営業活動をするための事前準備と、実際に営業活動で接触する前に見込み顧客の情報収集を行い、高い確率で有効商談を創出するための事前準備です。
①営業活動前の準備
ターゲットリストを作成する
後述する事前準備を一社一社実施するのは有効ではあるものの効率はよくありません。なるべくならコストをかけずにインパクトのある施策の選択をしたいものです。そこで、営業効率を落とさないようにターゲットリストを属性別に用意することをおすすめします。
この属性というのは、先ほどの受注しやすい見込み顧客の環境や状況で分類する必要があります。業界、業種、資本金、従業員数などのインターネットで調べればわかることを企業ごとにリスト化し、受注に影響のある項目でフィルタリングを行い、営業活動をしていくことももちろん可能です。
ですが、最新のテクノロジーを活用していくことで、より細かい項目でフィルタリングをかけることも可能になります。たとえば、Ghosteryでは、対象企業がwebサイト上でどんなツールを使ってマーケティングをしているのかやどんなMAを活用しているのか、どんな広告を配信しているのかを確認できます。仮にFacebook広告を配信している企業との相性が良ければ、そういった企業をピックアップすることも可能です。
効率的にアポイントを獲得する
つまり、環境や状況などが同じ場合、抱えている課題も近しいものになりやすいため、同じような興味付けができる状態を作っておくことで営業効率を上げることができるのです。こういった分類に対して見込み顧客に興味付けをし、ヒアリングを行う準備さえできていれば、あとは営業活動を実行していくという流れになります。こうすることで、類似の属性に対して効率的に「会う」ことが目的ではない質の高いアポイントが取れるようになるでしょう。
②接触前の準備
事実と仮説を準備する
接触前の事前準備は営業パーソン個人の信頼醸成にもつながりますし、顧客視点での早期課題解決にも影響を及ぼすことができます。ではどのような企業の情報や現状を把握し用意しておかなければならないのでしょうか?
用意という意味では、事実と仮説を準備しておくべきです。事実というのは以下のような情報で、このような情報から事実に基づく事柄などを収集していきましょう。
- 企業の現在の売り上げ規模
- 採用活動の有無
- 公開しているプレスリリース
- 企業や代表のSNS
この事実などから仮の結論を用意するのが仮説です。たとえば、売り上げ伸び率や採用情報を見ていれば、企業の成長度合いがわかるでしょう。ですが、企業が実際に今後どれくらい伸びていく計画を立案しているかは企業に対して聞いてみないとわかりません。
ですので、「売り上げは右肩上がり、採用情報は日々どのような職種も募集されていますが、今後どういった成長を見込んでいるんですか?」といった仮説をベースにした質問を用意しておくことが重要です。つまり、この事実と仮説を用意しておくことで、商談を優位に進められることはもちろんですが、担当者からは会社のことを理解してくれていることに感心して営業パーソンへの信頼にもつながります。
状況に応じたソリューションを提供する
こういった情報を商談前に事前に確認できていて、すでに解決に向けた合意形成がされている状態を作れていると、商談の場ではより深い課題まで話を進めることができます。そのため、自社が様々なソリューションを持っている場合はクロスセル・アップセルで、状況に応じて違ったソリューションを提供できる可能性があります。
その結果、コンテンツの提供や新機能の提供によって受注単価の向上やLTV向上につながる可能性も出てきます。つまり、事前の情報を得られている有効商談の創出は、売り上げ向上の起点になる大きな役割を担っているということです。
ステップ4 有効商談の管理
上記のステップで有効商談が生まれた場合でも、すべての商談が受注できるかというと、そうではありません。もちろん失注したり受注が先延ばしになったりするケースもあります。そのため、有効商談の管理をする必要が出てきます。
ここでの管理は、商談時の会話や失注した理由、次回連絡を取る際の理由やタイミングなどを指します。これらが管理できていないことで、そもそも導入を検討していた企業が、競合他社のサービスをいつの間にか導入しているケースも少なくありません。
管理をすることで、新しく創出された商談と過去商談をした案件のバランスを考え優先順位をつけられるので、受注につなげられる確率が高い有効商談に注力することもできます。
受失注に関わらず、これらの商談の振り返りを実施し、有効商談を生み出すきっかけになったポイントや行動などを抽出し、改めて仕組みの再検討をすることもおすすめです。
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まとめ
今回は、有効商談不足を解消するための4つのステップをご紹介しました。
有効商談を生み出すには、有効商談の定義を組織内で決め、その定義を実現させるためにトークやヒアリング項目をブラッシュアップしていき、事前準備を徹底することが重要です。また、有効商談の創出は一過性のものではなく、失注した案件も含め管理をすることで過去商談からの受注につなげることも可能になります。
是非参考にしていただき、有効商談の創出に注力してみてください。