営業マネジメントが楽になる!今すぐ実施すべきセールスコンテンツの運用
営業組織の育成において、仕組み化に課題を抱えている方は多いのではないでしょうか。 営業パーソン個人に向けたノウハウやスキルに関する情報は多く出回っていますが、営業パーソンが在籍する組織のパフォーマンスを向上させる方法を知っておくこともまた重要です。 今回は、営業組織の仕組み化にあたりカギとなる組織文化と、そのために必要なセールスコンテンツ作成における3つのポイント、活用のための教育方法をご紹介します。
(本記事は、2021年2月に作成したものを更新・編集しています。)
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目次[非表示]
- 1.1. ナレッジシェア文化の醸成
- 2.2. セールスコンテンツの作成・活用方法
- 2.1.既存のコンテンツを見直す
- 2.2.作成済みの社内資料を有効活用する
- 2.3.セールスチームの声を反映させる
- 2.4.コンテンツの使用状況を分析する
- 3.3. 営業現場でのセールスコンテンツ活用のための教育
- 4.まとめ
1. ナレッジシェア文化の醸成
組織のパフォーマンスを向上させるためには、ナレッジシェア文化が重要です。ナレッジシェアが浸透することで、必要な情報を迅速に取得でき、社内外への価値提供も向上します。リクルートグループのナレッジマネジメントは、その好例です。
ナレッジマネジメントとは、組織内の知識や経験を
- 定義
- 構造化
- 保持
- 共有する
プロセスを指し、競争優位性の強化、パフォーマンスの向上、イノベーションの促進、継続的な改善を目指す戦略です。リクルートグループでは、このナレッジマネジメントを定着させ、「すべての社員が自然とナレッジを交換する文化」を築いています。
しかし、ナレッジをシェアする文化があっても、それだけでは仕組みとは言えません。営業組織としては、最終的にそのナレッジをセールスコンテンツ化し、仕組みに組み込む必要があります。マーケティングコンテンツが特定のセグメントのニーズを満たすものである一方、セールスコンテンツは購買意欲のない見込み顧客の心を動かすためのもので、個々の顧客を対象としています。
2. セールスコンテンツの作成・活用方法
営業担当者は、見込み顧客の問題に対処するために、適切なタイミングで適切なセールスコンテンツを提供する必要があります。そのためには、ナレッジを仕組み化し、誰もが活用できるセールスコンテンツとして整備することが重要です。以下の4つのポイントを押さえると、効果的なセールスコンテンツを作成できます。
既存のコンテンツを見直す
まず、既存のコンテンツがセールスコンテンツとして適しているかを見直しましょう。見込み顧客が抱える問題や質問に沿ったコンテンツを特定することで、セールスコンテンツ作成にかかる時間と費用を節約できます。カスタマーサポートに届く質問を参考にすると、顧客の問題や不足点を把握しやすくなります。
例えば、よくある質問(FAQ)や過去のサポートケースを分析することで、見込み顧客が直面する具体的な課題を洗い出すことができます。ただし、すべてのセールスコンテンツがどの場面でも通用するわけではないため、文脈に合わせて内容を調整する必要があります。場合によっては、既存のコンテンツを一部修正したり、新たに作り直したりすることも必要です。
作成済みの社内資料を有効活用する
セールスコンテンツとして見落とされがちな社内資料も有効活用しましょう。社内資料には、見込み顧客が会社や製品を深く理解するのに役立つ情報が含まれていることが多いです。例えば、製品比較表や製品仕様書、技術的なホワイトペーパーなどは、見込み顧客にとって有益な情報源となります。
これらの資料は、もともと見込み顧客と共有することを意図していない場合が多いですが、適切に編集すれば有用なセールスコンテンツになります。見込み顧客が抱える問題や質問に対応するために、これらの資料を再構成し、セールスプロセスに組み込むことが重要です。
セールスチームの声を反映させる
営業担当者がどのようなセールスコンテンツが役立つかを最もよく理解しています。セールスチームとマーケティングチームが連携し、現場で役立つコンテンツを作成することが重要です。
例えば、営業担当者が見込み顧客と話をしている際に、どのような資料が効果的であるかをフィードバックとして収集し、それを基にコンテンツを作成します。営業担当者との協力を通じて、最も効果的なコンテンツを特定し、チーム間の連携を強化しましょう。営業担当者にセールスコンテンツ作成の基本的なトレーニングを実施することも有効です。これにより、営業担当者自身が必要なコンテンツを迅速に作成できるようになります。
コンテンツの使用状況を分析する
セールスコンテンツの作成は一過性のものではなく、継続的な改善が必要です。企業が新たな市場に進出する際、セールスコンテンツのニーズも変化します。そのため、セールスコンテンツの使用状況を追跡し、最適化することが重要です。
例えば、提供したセールスコンテンツが実際にどのように使用され、どの程度効果があったかを分析します。これにより、効果的なコンテンツとそうでないコンテンツを見極め、必要に応じて修正や更新を行います。エンゲージメント率が高いコンテンツをモデルにすることで、今後のコンテンツ作成に役立てましょう。マーケティングコンテンツと同様に、見込み顧客に伝わる情報を追跡して最適化する必要があります。
これらのポイントを押さえることで、効果的なセールスコンテンツを作成し、営業活動を支援することができます。セールスコンテンツの質を高めることで、見込み顧客との信頼関係を築き、最終的には売上の向上につなげることができるでしょう。
3. 営業現場でのセールスコンテンツ活用のための教育
上記のように、シェアされたナレッジをセールスコンテンツにし、営業現場で活用できるように仕組みに落とし込んだとしても、実際に営業担当者が活用していないというパターンが散見されます。
つまり、マネージャーやセールスイネーブルメント組織が作成したセールスコンテンツを、何故使うのか、どう使うのかまで落とし込む必要があるということです。 活用していない背景には、セールスコンテンツの使い方がわからず効果を感じられないということがあるので、それを解消していきましょう。
解消するには、セールスコンテンツを営業フローの中に組み込んでいき、使うシーンを決めることが有効です。そして、その営業を正確に実施するために、セールスコンテンツを利用しているシーンを、事前にロープレをし録画して配信するなど、活用シーンをイメージしてもらい、実際の営業活動で実施してもらうと良いでしょう。
また、属人的な営業をしていてセールスコンテンツを使う人と使わない人に分かれてしまっている場合は、営業スタイルを統一することも検討する必要があります。 上記のような対策は、会社の方針や特性にあわせて検討することをおすすめします。
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まとめ
今回は、営業組織の仕組み化にあたりカギとなる組織文化と、そのために必要なセールスコンテンツ作成における3つのポイント、活用のための教育をご紹介しました。
企業や組織の成長において、ナレッジシェア文化が浸透していることは大きな強みとなりますし、営業に関しては、ナレッジとしてセールスコンテンツを作成・運用していくことが今後重要になってきます。 是非、営業担当者の声をもとにセールスコンテンツを作成し、ナレッジシェア文化を根付かせられるような働きかけをしてみてください。
本記事は、以下記事をもとに加筆・編集しております。
Valamis. 2021. What Is Knowledge Management? Its Importance And Benefits. [online] Available URL:https://www.valamis.com/hub/knowledge-management#what-is-knowledge-management
日経クロステック(xTECH) 2021 知は力なり今こそナレッジ・マネジメント!
URL:https://xtech.nikkei.com/it/free/NC/TOKU1/20021127/1/
Kapost. 2021. 9 Tips For Creating High-Value Sales Enablement Content. [online] Available
URL:https://uplandsoftware.com/kapost/resources/blog/high-value-sales-enablement-content/
Burns, J. and Burns, A., 2021. The Ultimate Guide For Developing Your B2B Sales Content Strategy – Marketing Insider Group. [online] Marketing Insider Group. Available
URL:https://marketinginsidergroup.com/content-marketing/ultimate-guide-b2b-sales-content-strategy/