相性の良い顧客の見極め方とは?効果的なインバウンド営業のコツを解説!
インバウンド営業において、顧客を見極めずに営業活動を実施してしまうと、多くの案件を対応することによる営業組織の疲弊や、自社と合わない顧客との無理な取引などが生じてしまう可能性があります。そのため、成約率を高め、良質な案件を獲得するためには、顧客を見極めるフェーズが重要になってきます。 今回は、相性の良い見込み顧客を見極めるための、4つのステージにおけるポイントをご紹介します。
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相性の良い見込み顧客を見極める
相性の良い顧客とは、商品、サービス、ソリューションから恩恵を受ける可能性が最も高い顧客を指します。しかし、忘れてはならないのは、適合する顧客とは、受動的な見込み顧客ではなく、購買プロセスに積極的に参加している顧客だということです。積極的に購入している顧客層を見極めることで、見込み顧客に集中して対応することができます。
能動的な顧客と受動的な顧客
ここでの重要なステップは、すでにバイヤー・ジャーニーに参加していて購入の意思を持っている能動的な見込み顧客と、まだ購入の準備ができていないが将来的には購入する可能性がある受動的な見込み顧客を分けることです。
能動的な見込み顧客を見つけるには、ソーシャルメディアを活用し、見込み顧客が質問をしているグループを見つけてそれに答えたり、見込み顧客が読んでいるブログを読んだり、自分でブログ記事を作成して書いたり、業界のリーダーと交流したりするネットワーキングが有効です。
効果的なインバウンド営業のための4つのステージ
ここでは、効果的なインバウンド営業のプロセスの4つのステージをご紹介します。それぞれがどのように作用して見込み顧客の購買意欲に沿ったセールスアプローチを生み出すのか、また、営業組織と適合する見込み顧客を発見することができるのかを見ていきます。
ステージ1 ー識別するー MQLの発見
営業組織が常に商談機会を予測出来るファネルを確立できるように、積極的な見込み顧客と受動的な見込み顧客のセグメント化など、どの顧客が自社に適しているのかを見極めることに時間をかけましょう。これらの見込み顧客のことをMQL(Marketing Qualified Leads)と呼びます。
営業組織が犯しがちな最大のミスのひとつは、自分たちに合わない顧客に時間を浪費し、狙うべき顧客に相手にしてもらえないことです。そのため、プロセスの早い段階でこのような顧客を発見して排除することで、ターゲットになりうる顧客に取り組む時間を確保することが重要になってきます。
「識別」の段階で見込み顧客が適合しない4つの兆候
- 会社の規模:自社の主な顧客の会社規模と比較して、小さすぎる、または大きすぎないか。
- 会社の収益:会社の規模と同様に、収益の大きさが適合するかしないかを定義し、これより高い、または低くないか。
- 業界・業種:自社が定めるターゲットと合致しているか。
- 地理的位置:自社のサービスが提供できる地域の顧客か。
より具体的な識別方法については、『スクリーニングで良質な案件を創出する方法』をご参照ください。
ステージ2 ーつながるー MQLをSQLに変える
適切なリードを特定できたら、今度は見込み顧客の目標、課題に焦点を当て、顧客に合わせて価値提供のできるコールを行います。ここでの指標は、MQLをSQL(Sales Qualified Leads)に変えることです。
「つながる」のステージでは、見込み顧客に初めて自社を紹介します。ここでは、見込み顧客の現状や関心事などを明確に理解することが必要になります。ここでは、バイヤー・ジャーニーの認識段階、または見込み顧客がその時点でどの段階にいるかに合わせてソリューションを提案します。
重要なのは、見込み顧客の関心事や優先事項を特定し、解決策を提供することです。見込み顧客が目標を達成し、課題を克服するのを手助けしたいという意思を示しましょう。そうすることで信頼関係が生まれ、提案した解決策を進めたいと思ってもらえる可能性が高くなります。
また、彼らがターゲットでない可能性があることにも再度注意してください。
「つながる」のステージで見込み顧客が適合しない4つの兆候
- 顧客が取引に適していない態度:これは、後々のコミュニケーションにおいて支障をきたすため、重大な警告サインとなります。
- 顧客が感情的な反応を示す:事実ではなく感情に基づいて反応しているように見える場合は、その人が意思決定者でないか、意思決定するために必要な内容を把握していないことを示す大きな指標となります。
- 顧客が無反応:相手が質問に答えない場合は、プロセスに介入していなかったり、理解していないことを示しています。
- 顧客が妥協をしない:見込み顧客がすべてをコントロールしたいと考えていて、何事にも妥協しようとしない場合、適合しない場合があります。
ステージ3 ー調査するー SQLを機会に変換する
「調査」フェーズは、インバウンド営業において最も重要なフェーズです。見込み顧客が助けを必要としているかを見極めるところです。
ターゲットとなる見込み顧客の課題を探り、商品やサービスが彼らの状況に最適かどうかを判断します。適していれば、これらの見込み顧客に価値提供できる可能性があります。
この段階では、専門家としての立場を確立し、コンサルタントの役割を担うことが重要です。見込み顧客が最初に興味を持ったことと、専門家としての権威を活用して、見込み顧客の具体的な目標や課題を深く掘り下げていきます。自分が専門家であることを忘れずに、見込み顧客が単独で解決するよりも、自身が介入することで効率的かつ包括的な支援ができるかどうかを見極めましょう。
「調査」のステージで見込み顧客が適合しない4つの兆候
- 顧客の発言が矛盾している:見込み顧客の発言に真実味がなく、辻褄が合わないように見える
- 顧客が協力的でない:見込み顧客は、営業担当と一緒に行動計画を立てることを望んでいないように見え、競争的な態度をとっている
- 顧客のリソースが不足している:提案した戦略を実行するための時間、資金、人材が見込み顧客にない
- 提案への優先順位が低い:商品、サービス、ソリューションに対するニーズを特定しているにもかかわらず、見込み顧客やその会社において優先順位が低い
ステージ4 ー助言するー 機会を顧客につなげる
最終段階である「助言」では、見込み顧客の目標や課題を解決するために、商品、サービス、ソリューションがどのように役に立つかをアドバイスすることが目的です。そして、その商品が見込み顧客に合っていると判断されれば、顧客になっていただけます。
この段階では、なぜ自社の商品やサービスが有益なのかを示す、個別のプレゼンテーションを準備します。
プレゼンテーションの内容の例
- 見込み顧客のニーズに沿った価値提案:見込み顧客の専門用語を使うなど、顧客に合わせた内容を強調するプレゼンテーションをします。
- 商品やサービスのデモンストレーション:見込み顧客にとって重要な機能のみを、重要な順に説明します。また、ケーススタディやお客様の声も掲載します。
- 投資対効果の分析:見込み顧客の測定基準やビジネススタイルに合わせてカスタマイズします。
見込み顧客の状況を明らかにし、それに合わせてプレゼンテーションを調整することで、オンラインで入手可能な情報を超え、バイヤー・ジャーニーに多大な価値を与えることができます。
「助言」のステージで見込み顧客が適合しない4つの兆候
見込み顧客にソリューションを提示する段階に入ると、失注することはないと思われるかもしれませんが、ここにも気をつけなければならないポイントがあります。
- 成果への期待に依存している:戦略を実行したり、商品を導入したりすれば、すぐに結果が出ると考えている見込み顧客には注意が必要で、期待に合わせた無理なソリューション提案は必要ありません。
- 必要な作業を行わない:商品やサービスについて教えるためにコンテンツを読んだり、作業をしたりするように頼んでも、それを実行しない場合、今後の問題になりかねません。
- 何度も会議をキャンセルする:急なキャンセル、無断キャンセル、何度もキャンセルする場合は、基本的なビジネスルールにおいて責任感が欠けているかもしれません。
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理解に必要以上に時間がかかる:理解するまでに同じ内容を3回以上繰り返し説明する必要がある場合、実際に仕事をする上で問題となる顧客になるかもしれません。
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まとめ
今回は、相性の良い見込み顧客を見極めるための、4つのステージにおけるポイントをご紹介しました。インバウンド営業は、見込み顧客の役に立ち、強い信頼関係を構築できる非常に効果的な営業手法ではありますが、全ての見込み顧客が本当の顧客になるとは限りません。
「識別する」「つながる」「調査する」「助言する」の4つのステージにおいて、それぞれ見込み顧客を見極めるポイントを踏まえ、良質な顧客を生み出し、自社と顧客双方にとって良い取引を生み出しましょう。