セールステックツールとは?種類と選び方のポイントを紹介します
人手不足に加えて、リモートワークで働き方が変わっていくなか、営業プロセスも次第に複雑なものになってきています。そこで注目されているのが、セールステックツールです。ブラックボックス化しやすい営業業務の見える化や効率化、生産性を高めるツールとして導入する企業が増えています。
この記事では、セールステックツールとは何か、セールステックツールの種類や導入前に確認しておきたいポイントなどをご紹介します!
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本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。
目次[非表示]
セールステックとは
セールステックの意味
セールステック(Sales Tech)は、セールス(Sales)とテクノロジー(Technology)をかけあわせた造語です。最新のITを活用して業務の効率化・生産性を高めるツールや手法のことを指します。欧米を筆頭に導入が増え始め、2016年頃から日本でも浸透し始めました。
セールステックが注目されている背景
「コロナで営業スタイルが変わった、だからデジタルが必要になった」セールステックが注目されている理由は、それだけではありません。営業環境が変わったからこそ、営業パーソンの悩みも変わってきたのです。
セレブリックスではコロナ以降、400名弱の方々に営業の悩みについてリサーチをしました。その結果、リモート時代の営業の問題は3つのロスにまとめられることがわかりました。
<リモート時代の3つのロス>
繋がらない:相手が会社にいない
会えない:リードに連絡しても温度感が高くない
買ってもらえない:アポイントがとれても、先行き不透明なので投資が後回しにされる、などで決着がつかない
つながらないお客様に見つけてもらうためには、どうしたら良いのでしょうか。それは、お客様が会いたくなるタイミング、買いたくなるタイミングを営業活動の中で押さえていくことです。そのようなタイミングを効率的に見つけるためのツールとして、セールステックが今注目されています。
ファネル型セールスプロセス別で見る、セールステックツールの種類
ファネル型のセールスプロセスとは?
まだ出会えていないお客様と接点を持つためには、『ファネル型のセールスプロセス』の考え方を導入すると効率的です。
ファネル型のセールスプロセスとは、お客様の見込み度合いに応じてファネル(漏斗)でふるいにかけて、温度感の高いお客様を見極めるプロセスのことです。
セールステックツールは、そのプロセスのひとつひとつを効率化させるために活用します。ここからはファネル型のセールスプロセスにそって、セールステックツールの種類をご紹介します。
マーケティングファネルで活用するテックツール
マーケティングファネルは、顧客情報を獲得するまでのフェーズです。ユーザーと接点を作るために、WEBサイトやデジタルマーケティングの仕組みを使ってリードを獲得していきます。ユーザーにコンテンツを知ってもらうための広告やユーザーのデータ分析、イベントを効率よくおこなうためにツールを活用します。
◆マーケティングファネルで使われるセールステックツール
・イベント支援システム
ウェビナーなどのイベントを支援してくれるツールです。
イベント支援システムのツールは、主に3つの目的に分けられます。
①イベント開催業務の効率化:動画配信ツールの提供、決済対応、リスト作成など
②大規模オンラインイベントの開催:安定した配信環境の提供、イベント演出、当日の運営サポート、参加率のアップ
③リード獲得の促進:資料ダウンロードやアポ予約、参加者のデータ解析、イベントの効果測定の効率化
◆代表的なセールステックツール
・イベント支援システム
EventHub / eventos / イベントクリエイト / EventRegist / E-VE! / Peatix / EXPOLINE など
リード獲得ファネルで活用するテックツール
リード獲得ファネルは、顧客情報の取得〜登録までがおこなわれるフェーズです。WEBサイトのフォーム入力などのアクションがあることで、MAといわれる顧客管理システムの中へ顧客情報が登録されます。SFAとCRMはこのファネルだけでなく、リード獲得後のファネルでも活用します。
◆リード獲得ファネルで使われるセールステックツール
・MA
・SFA
・CRM
・チャットボット
・MA:マーケティング施策を自動化するツール
Marketing Automation (マーケティングオートメーション)の略語です。 MAの主な機能は、『顧客開拓を仕組化する』こと。見込み客の温度感を定量的に測ることができます。これまでマーケターが手動でおこなってきた、メール配信リスト作成やメール開封率の分析などを自動化することで、効率的な営業活動が可能です。
・SFA:営業支援システム
Sales Force Automation (セールス・フォース・オートメーション) の略で、営業の生産性を向上・改善させるツールを指します。日本では『営業支援システム』と解釈され、主に営業プロセスの自動化、情報をデータ化し蓄積・分析をおこないます。ブラックボックス化しやすい営業活動を見える化し、課題の発見やナレッジの蓄積が可能です。
・CRM:顧客管理システム
Customer Relationship Management (カスタマーリレーションシップマネジメント) の略で、日本では「顧客管理システム」と訳されています。顧客情報を一元管理することができ、商談状況をリアルタイムで記録・共有することが可能です。そのデータを活用して顧客満足度を高め、LTV(Life Time Value)の向上を目指します。
・チャットボット
チャット(chat) とボット(bot) を組みあわせた言葉で、自動会話プログラムのことです。問い合わせやWebサービスの案内など、ユーザーの悩みにあわせて最適な返信を自動でおこないます。カスタマーサポート業務の人的なコスト削減やユーザーの離脱を防ぐため、近年導入する企業が増えています。
◆代表的なセールステックツール
・MA (マーケティング施策を自動化するツール)
Account Engagement、Hubspot、SATORI、Adobe Marketing Cloud、SHANON MARKETING PLATFORM、b→dash、List Finder、Kairos3、BowNowなど
・SFA (営業支援システム)
Sales Cloud、HubSpot、Senses、kintone、eセールスマネージャーなど
・CRM (顧客管理システム)
Sales Cloud、HubSpot CRM、Sansan、Senses、eセールスマネージャーなど
ナーチャリングファネルで活用するテックツール
ナーチャリングファネルは、獲得したリードをもとに、インサイドセールス担当が選定基準をもってコミュニケーションをとりアポイントを獲得するフェーズです。顧客とスムーズなコミュニケーションをとるため、商談時に使われるWeb会議システムやアンケートツールなどを活用します。
◆ナーチャリングファネルで使われるセールステックツール
・オンライン商談システム
・名刺管理システム
・アンケートツール
・CTI
・CTI (電話とコンピュータの統合システム)
Computer Telephony Integrationの略語で、コンピュータと電話・FAXが連携できるシステムのことを指します。主な機能は、コール業務の効率化や、通話の録音データを活用した顧客の分析です。また、ソフトフォンとよばれるPC上で操作する電話機が備わっているものであれば、テレワークでコールセンター環境を実現可能です。
◆代表的なセールステックツール
・オンライン商談システム
Zoom、ベルフェイス、Skype、Google Meetなど
・名刺管理システム
Sansan、Eight、ホットプロファイル、アルテマブルー、Wantedly Peopleなど
・アンケートツール
Questant、Google フォーム、Freeasy、SurveyMonkey、CREATIVE SURVEYなど
・CTI (電話とコンピュータの統合システム)
MiiTel、CT-e1/SaaS、Zendesk、UNIVOICE ACCS/BCCSなど
セールステックツールをうまく活用するポイント
セールステックツールを導入しただけで、すぐ業務効率化につながるわけではありません。従業員全員に活用してもらうためにも、以下のようなポイントをおさえると良いでしょう。
- 従業員に理解を得る
- 社内ルールや社内体制をととのえる
- 解決したい課題を明確にする
- 一度にたくさん導入しない
- 効果検証を行う
- 費用対効果の高いツールを選ぶ
-
サポート体制が充実しているツールを選ぶ
また、セールステックツール導入前に以下の項目を確認しておくこともおすすめです。
- どのくらいの業務効率化が見込めるのか
- どのくらいの売り上げが上がる見込みがあるのか
-
どれくらいのコストが削減できそうなのか
セールステックツールの導入から活用までは、意外と長い道のりです。導入後に後悔しないためにも、上記のポイントをおさえながら機能や特徴を比較しておきましょう。
ツールの導入については、下記の記事もおすすめです。
導入しても上手くいかないときは?
デジタルシフトや業務効率化がうまくいかない理由があるとすれば、下記のような要因があげられます。
- そもそも成果を高めるための営業プロセスや業務プロセスを設計できていない
- 必要な営業プロセスに沿った、テクノロジーを選べていない
-
テクノロジーを活用できる「人」がいない、育っていない
ツールを浸透させないと業績貢献できない場合は、従業員ひとりひとりに対して、『自分ごと化』してもらうことが大切です。また、上記のように営業プロセスがあいまいな状態でセールステックを取り入れても、思うように成果を出せなかったり、定着するまでに時間がかかってしまったりしてしまいます。
セールステックツールのご相談はもちろん、営業プロセスのお悩みがある場合でも、お気軽にセレブリックスへご相談ください。
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本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ここまでのおさらいです!
-
セールステックとは
- 最新のITを活用して業務の効率化・生産性を高めるツールや手法
-
ファネル型セールスプロセス別で見る、ツールの種類
-
ファネル型のセールスプロセスとは?
- お客様の見込み度合いに応じてファネル(漏斗)でふるいにかけて、温度感の高いお客様を見極めるプロセス
-
マーケティングファネル
- イベント支援システム
-
リード獲得ファネル
- MA:マーケティング施策を自動化するツール
- SFA:営業支援システム
- CRM:顧客管理システム
- チャットボット
-
リード獲得後ファネル
- オンライン商談システム
- 名刺管理システム
- アンケートツール
- CTI (電話とコンピュータの統合システム)
-
ファネル型のセールスプロセスとは?
-
導入しても上手くいかないときは?
- そもそも成果を高めるための営業プロセスや業務プロセスを設計する
- 必要な営業プロセスに沿った、テクノロジーを選ぶ
- テクノロジーを活用できる「人」を採用する、育てる