営業の現場でロジカルシンキングが役立つ理由
ロジカルシンキングとは論理的思考力のことです。ビジネスの場において必要不可欠な能力とも言えるでしょう。ロジカルシンキングを理解しておくと、ビジネスではもちろんのこと、生活のあらゆる面で役に立つのです。そこで今回は、ロジカルシンキングの基本についてお話いたします。ロジカルシンキングの考え方や使い方をマスターして、一歩上の営業パーソンを目指しましょう。
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目次[非表示]
- 1.論理的思考力(ロジカルシンキング)の基本的な考え方
- 1.1.理論と論理
- 1.2.論理的思考(ロジカルシンキング)とはどういうことか
- 2.社会人に論理的思考力(ロジカルシンキング)が求められる理由
- 3.ロジカルシンキングを身に着けるコツ5つ
- 3.1.結論から伝える
- 3.2.根拠を伝える
- 3.3.根拠の詳細を伝える
- 3.4.最後にもう一度結論を伝える
- 3.5.相手が理解できるように表現して伝える
- 4.まとめ
論理的思考力(ロジカルシンキング)の基本的な考え方
論理という言葉自体が難しそうな雰囲気ですし、何となくヘリクツをこねるようなイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか?苦手意識を持つ人も少なくないと思います。そこでまずは論理的思考力という言葉を分解して論理という言葉だけを考えてみます。
理論と論理
論理と理論、言葉の順番を入れ替えただけのようですが意味はまったく違います。
理論:その時点で確定しているもっとも確実な法則を基にして計算や予測などを話すこと
論理:個人的な判断基準に基づいて出た結論の理屈と根拠
良く会話で使われる「理論上は・・・」という表現は、あくまでも「現時点での見通しとしては・・・」ということです。論理でよく使われる表現は「論理的に~」です。どうしてその判断になったのか、結論までの過程を説明することです。
「感情的にならずに論理的に話して欲しい」という台詞を、ドラマなどで聞いたことがあると思います。つまり理論とはすでにある何らかの法則についての説明であり、論理とは個人的な主観に基づいた判断への説明です。
論理的思考(ロジカルシンキング)とはどういうことか
ではいよいよ本題のロジカルシンキングです。先ほどの説明の中で、論理とは結論までの過程を説明することだとお伝えしました。もう少し具体的にいうと、結論を出すまでにはあなたなりの判断する根拠があったはずです。つまり、A(根拠)だからBと考えられC(結論)になりました、というように話の筋道がきちんと相手に伝わるように説明できること、それがロジカルシンキングです。
この時にA(根拠)がない、AとBの説明や関係性が曖昧だとC(結論)の説得力が低くなります。
またどんな素材をA(根拠)に持ってくるかでC(結論)が変わってきます。そういう意味で論理的思考力(ロジカルシンキング)とは物事を整理・分析する作業から始まります。その上で枠組みを作り分析された物事の中から結論を見出す作業とも言えます。
社会人に論理的思考力(ロジカルシンキング)が求められる理由
一般的に論理的思考力が高いほど人間関係が円滑に進むとされています。コミュニケーション力が高いとも言えますが、社会人として社内での人間関係や顧客や取引先との人間関係のつながりはとても重要です。
- 自分以外の人とコンタクトを上手にとれること
- 自分の考えを相手に理解してもらうこと
- 相手の考えを的確に理解できること
など、ロジカルシンキングを活用して業務を行うことは、自分のスキルや評価の向上だけではなく会社の実績にも影響する大切なポイントなのです。
ロジカルシンキングを身に着けるコツ5つ
ロジカルシンキングの基本を理解したら次は実践してみましょう。頭の中で理解したつもりでも実際に使えなければ意味がありません。身に着けるためのコツを5つ、お伝えいたします。
結論から伝える
ビジネスシーンでは結論から伝えることが大切です。結論から伝えることで相手の印象に残りますし、相手に余計な時間を取らせません。結論は短く具体的な言葉で明確に伝えることが大事です。言葉の取り方によっては違う解釈ができるような曖昧な表現は避けましょう。
誰かと話したあとで「長々と話を聞かされたけれど結局あの人は何が言いたかったのだろう?」と後から思った経験はございませんか。または話の途中で「何の話だったっけ?」と感じたことはありませんか。これは話し手が話す内容を整理できていないことと、相手を意識した分かりやすい話の組み立てをしていないことが原因です。
会話に例えると、このようになります。
<結論を後回しにした場合>
上司「昨日訪問した○○商事さんへの提案、どうするんだ?」
部下「はい、今、他社の求人媒体に1ヵ月間出しているそうなのですが、応募がひとりも来てないみたいなんです。しかも、来月、事務の方が3名辞めてしまうそうなので・・・」
上司「ストップ。私は、提案をどうするか、と聞いたんだ。一旦理由は後にして、結論を教えて欲しい」
部下「えーっと・・Aプランだと長期的な採用には向いていますが、今回は短期決戦なので、母数を稼ぐBプランがいいと思っています」
上司「・・・まぁ、いいだろう。わかった進めてくれ」
<結論から伝えた場合>
上司「昨日訪問した○○商事さんへの提案、どうするんだ?」
部下「はい、Bプランを提案しようと思っています」
上司「なぜ?」
部下「応募の母数を稼ぐためです」
上司「なぜ、母数が必要なんだ?」
部下「理由が2つあって、1つ目が、他媒体出しているんですが、1件も応募が来ていないので、まずは求職者に会うため。2つ目は、1ヵ月と時間が無いので、短期間で多くの人に会うためです。」
上司「なるほど。わかった。それで進めてくれ」
部下「はい、ありがとうございます!」
いかがでしょうか。
結論から伝えた方がスムーズにコミュニケーションをとることができます。
根拠を伝える
次になぜその結論になったかの根拠を伝えます。ここで気をつけたいのが根拠の数です。ひとつやふたつだと根拠が弱い印象になるかもしれません。だからといってあまりに根拠が多すぎるのも情報が整理されていないようで好ましくありませんし、わかりづらいですよね。いちばん説得力があるとされている根拠の数は3つです。結論に対してその根拠を3つ伝えるようにしましょう。
根拠の詳細を伝える
根拠についてひとつずつ詳しく説明します。この時に大切なのはきちんとした証拠やデータを示すことです。裏付けとなる証拠やデータがないと根拠に説得力がなくなります。根拠に説得力がなければ結論も怪しく思われてしまいます。
最後にもう一度結論を伝える
話の締めくくりにもう一度結論を伝えます。最初に結論は伝えてありますが、最後にもう一度伝えることで印象を強くしてもらえることが期待できます。また話を聞いているうちに結論を忘れてしまう人もいます。一番伝えたいことは結論なのですから、結論だけでも覚えておいてもらうことは重要です。最初と最後に結論を伝えて相手にしっかりと印象を残しましょう。
相手が理解できるように表現して伝える
今までお伝えしてきたように、ロジカルシンキングとは相手に理解してもらえるように物事をわかりやすく伝える方法です。社内での会議や同業者が集まる場面ではまだいいのですが、専門用語や外国語の表現を多用する場合は気をつけましょう。書類でもプレゼンテーションでも受け取る側の視点に立って考え表現することが大切です。
社内や業界では常識的な言葉でも顧客や取引先にとっては聞きなれない(知らない)言葉かもしれません。そのような言葉ばかりだと理解したというよりも、言い負かされたという印象を持たれてしまうこともあります。また人間は情報のおよそ8割を視覚から入手するとされていますので、図表などを用いて視覚面からのアプローチも行うとより相手に理解してもらえるでしょう。
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まとめ
今回はコミュニケーションを中心にお伝えいたしましたが、報告書やプレゼンなどの資料にも、ロジカルシンキングを用いることで、自分の考えをスムーズに伝えることができます。特に営業の場面では、必要な情報をきちんと伝えることが重要です。ロジカルシンキングを極めて、顧客や取引先に信頼される営業パーソンを目指していきましょう。