リーダーシップの種類と特徴について
優れたリーダーシップは、その組織の未来を決めると言っても過言ではありません。同じ予算、同じ人材、同じ商材を使っていても、リーダーの能力次第で結果に大きな差が生まれるのです。しかし、ただリーダーシップといっても、やり方やタイプにはさまざまな種類があります。
目的と状況に応じて最適なリーダーシップを発揮すれば、組織の成長や成果を効率よく最大化できるでしょう。今回のコラムでは、各種リーダーシップのタイプやそれぞれの長所短所について詳しくご紹介いたします。
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目次[非表示]
- 1.リーダーシップの意味と役割
- 2.リーダーシップの型
- 2.1.ビジョン型のリーダーシップ
- 2.2.コーチ型のリーダーシップ
- 2.3.目標達成型のリーダーシップ
- 2.4.民主型のリーダーシップ
- 2.5.集団維持型のリーダーシップ
- 3.リーダーに求められる資質と能力
- 4.状況に適したリーダーシップが必要
- 5.まとめ
リーダーシップの意味と役割
組織には、メンバー全体をまとめるリーダーが必要になります。そしてリーダーシップとは、その組織の核となるリーダーが持ち合わせておくべき資質や能力の総称です。どんなに組織のメンバーが有能であったとしても、リーダーが的確な指示やリーダーシップを発揮できなければ、長期的目線で組織を維持していくのは難しいでしょう。
例えば会社と言う大きな枠組みで見ると、社長がその会社のリーダーとなります。さらに会社内のチームや部署でも、それぞれの責任者や管理者が在籍します。集団としての規模は小さくなったとしても、必ずその中でリーダーとなる人材は必要になってくるのです。とくに会社など営利目的の集団を運営していくためには、優れたリーダーシップが必要不可欠となります。
リーダーシップの型
集団を導いていくためのリーダーシップですが、その方向性や運営方針にはさまざまな種類があります。各リーダーシップには強みとなる部分と弱みとなる部分があるので、組織や状況に応じて最適なリーダーシップを選ばなくてはなりません。
リーダーとなる人材の選定はもちろん、目標に応じてリーダーシップの取り方を調整するのも1つの方法でしょう。ここから代表的なリーダーシップの種類とそれぞれの弱みと強みについて、詳しくご紹介いたします。
ビジョン型のリーダーシップ
チームにおける目標や将来的なビジョンを積極的に伝達し、そのゴールに向けてチームを引っ張っていくタイプのリーダーです。リーダーとして必要な行動を率先して行うことで、メンバーから信頼や信用を集め、結果的に組織全体を引っ張っていく結果につながります。
トップの考えや人柄から組織惹きつけていくので、リーダーシップの中でもとくにカリスマ性が高いタイプと言えるでしょう。
長所
・リーダーやトップの考え方に賛同したメンバーが集まりやすくなる
・向かうべき方向性が明確になっているため、メンバーそれぞれが自主的に行動を起こす
短所
・リーダーの考えにブレが出たり、不信感が高まったりすると、一気に組織が崩れる危険性がある
コーチ型のリーダーシップ
比較的中小規模の組織に多いリーダーシップです。組織メンバーそれぞれに個別の面談などを行い、信用を集めるリーダーとなります。部下や社員に対して個別のヒアリングを行っていくため、一定以上の規模になると物理的に行うのが難しいタイプです。
一方で個別に話を深掘りできるため、大人数を引き連れるリーダーシップよりも、深い信頼関係を築きやすいと言う利点があります。
長所
・組織のメンバーそれぞれに対して個別に深い信頼関係を構築できる
・個別対応が基本なので、それぞれの得意不得意を把握しやすくなる
短所
・物理的に組織の規模が一定以上になると個別対応が難しくなる
・リーダーとの人間関係が悪くなると、仕事にも影響が出やすくなる
目標達成型のリーダーシップ
組織としての目標達成を最優先に指示を行うリーダータイプです。売り上げや利益など、数字を重要視する傾向が強いリーダーは目標達成型の可能性が高くなります。個別の成長や経験など、目標に関係のない部分は徹底的に除外するため、短期的に成果を出すには最適なリーダーシップと言えるでしょう。
一方で目標達成のために過度なノルマやプレッシャーを与えられる機会も多くなるので、部下からの反感や不満を受けやすくもあります。
長所
・企業や会社など組織としての目標を達成できる可能性が高い
・最短で結果を出すための仕事処理能力が向上するので部下の成長が早い
短所
・部下や従業員から反感や不満を向けられやすくなる
・集団維持には悪影響になるケースが多い
民主型のリーダーシップ
従業員や部下など組織全体の声を集めて、各意見を参考に組織の方向性を決めていくリーダーシップです。コーチ型と似ている側面はありますが、民主型のリーダーシップでは、個別ではなく組織全体の意見に耳を傾けると言う点から、コーチ型より大きな規模の組織でも効果が期待できます。
ただ部下や従業員が出す意見もそれぞれ方向性が異なるため、判断が難しいケースも少なくありません。すべての声を聞き入れようとすると、意見の相違から内部で問題が発生してしまう危険性もあるので注意が必要です。
長所
・チーム全体の意見や要望が把握しやすくなる
・さまざまな人材の声を即座に取り入れていくので、会社の成長が早い
・多角的な視点から得られる意見により、会社の課題や問題点を発見しやすくなる
・リーダー以外のメンバーも積極的に意見や提案を出してくれるようになる
短所
・一定以上の規模の組織では、メンバーから意見を収集するのに時間がかかる
・メンバー同士の意見の相違により、会社内の人間関係に影響及ぼす可能性がある
集団維持型のリーダーシップ
組織としての目標達成よりも、組織内の人間関係など集団を維持することに特化したリーダーシップです。本来は目標達成型のリーダーシップと並行して取り入れるべき要素ですが、集団維持に特化しているリーダーも存在します。
組織内の人間関係を円滑にすることに全力を注ぐタイプなので、離職率や人の入れ替わりは最小限に抑えられるでしょう。目標達成意識と集団維持の両側面を、バランスよく調整する必要があるでしょう。以上の理由から、集団維持型リーダーシップは数字を追いかける営業職よりも、製造業など決まった業務を日々こなしていく職種に適しています。
長所
・組織内の人間関係が円滑になりやすい
・離職率の低下が期待できる
・目標達成型と平行することで理想的なリーダーシップとなる
短所
・人間関係のしがらみが生まれやすい
・新しい人材が増えた際になじみにくくなる可能性がある
以上がリーダーシップにおける主なタイプ分けです。
どのタイプがもっとも優れていると言うものではなく、状況や目的に応じて最適なリーダーシップを発揮することが重要になります。
リーダーに求められる資質と能力
リーダーには、求められる資質や能力が存在します。経験や知識はもちろんですが、それ以外にも本人の性格などが影響する要素も多々含まれています。
代表例としては次のような点です。
- 豊富な経験と発想力
- 判断力と決断力
- コミュニケーション能力
- 行動力
- 絶対的な信念
- 観察力
- 分析力
- 柔軟性
- 傾聴力
上記全ての能力を身に付けている必要はありませんが、ここまでご紹介したリーダーシップタイプで必要なスキルは、持ち合わせておいたほうが良いでしょう。もともと人には得意な分野不得意があるため、自分に合ったリーダーシップを発揮することが、より早く優秀な部下を育てるポイントです。
状況に適したリーダーシップが必要
さまざまなリーダーシップをご紹介してきましたが、現場では各状況に合わせたリーダーシップを発揮しなければ、時として逆効果になってしまうケースもあります。その組織にとってどのようなリーダーが必要か、それを的確に見極めるのが何より重要です。優れたリーダーであっても、不適切な環境では本来のパフォーマンスを発揮することができません。
つまり、集団においてリーダーがどのような働きをするかも大切ですが、まずはその環境に合ったリーダーとなるべき人材を見極められるかがカギとなるのです。現場業務に優れた人材でも、必ず管理職や責任者が向いているとは限りません。リーダーを選定する責任者が、普段どれだけ部下をよく観察しているかが問われる瞬間なのです。
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まとめ
組織にとって必要不可欠なリーダーが、どのようなリーダーシップを発揮するかで組織の性質が決まります。リーダーとしてチームを運営していく場合はもちろん、管理者となる人材を適材適所に配置すると言う面からも、リーダーシップを活用するために当記事を役立てていただければ幸いです。