データベースマーケティングで効率的に営業を行うための6つのポイント【前編】
ビッグデータ、統計学、データマイニング…ビジネス界で最近データを活用したマーケティングやプロモーションが大変流行しています。弊社でもデータを活用した営業の仕組み構築に着手し、様々な実験を行ってきましたが、営業成果に密接に結び付くマーケティング手法がありました。それが「データベースマーケティング」です。
その、データベースマーケティングの実態と活用のポイントについて、前後編の2本立てで解説いたします。前編となる今回は、データベースマーケティングの概要と、活用メリットをお伝えいたします。
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目次[非表示]
- 1.データベースマーケティングって何?
- 2.データベースマーケティングのメリットは?
- 2.1.① 新規顧客開拓よりも受注獲得が容易である
- 2.2.② 営業に関わる人的コストの削減
- 2.3.③ 機会損失を防ぐ
- 2.4.④ 営業パーソンのモチベーションキープ
- 3.データベースの活用方法
- 4.まとめ
データベースマーケティングって何?
顧客の購買履歴をデータベースに書込、その購買履歴を分析しながら、販売する製品やサービスに反応しそうな顧客を抽出し、効率的なマーケティングの実現を目標として搭乗したマーケティング手法。従来のマス・マーケティングに対立する考え方でもある。具体的には、データベースに蓄積された顧客の属性や購買ヒストリーを活用して、顧客のニーズおよび興味を探り、そのニーズや興味に合わせてダイレクトに顧客へアプローチするマーケティング。
参照:Kotobank(コトバンク)データベース・マーケティング
上記文書の通り、データベース・マーケティングとはこれまでの購買履歴や顧客接点などをデータベースに記録し、その顧客属性ごとに最適なアプローチやプロモーションを仕掛けていく、という概念をもったマーケティング活動です。
こと、「法人営業の生産性を高める」という観点で重要なのは、購買情報の管理ではなく、商談履歴や接点情報、そして受注に至らなかった顧客データの管理が重要です。なぜなら統合した顧客データベースには、大小はあるものの、元々は自社サービスや商品に興味を持った顧客情報が名を連ねているからです。
つまり、「新しくリストを作って、毎回新規営業を行うよりも、一度でも興味を持った顧客をちゃんと管理し、効率よくアプローチした方が、簡単に受注が取れますよね」という考え方、取り組みこそがデータベース・マーケティングなのです。
データベースマーケティングのメリットは?
続いてデータベースマーケティングを行い営業活動を推進するメリットをお伝えします。
代表的なものは以下の4点が挙げられます。
- 新規顧客開拓よりも受注獲得が容易である
- 営業に関わる人的コストの削減
- 機会損失を防ぐ
- 営業パーソンのモチベーションキープ
それでは、これら4点のメリットについて簡単に解説させていただきます。
① 新規顧客開拓よりも受注獲得が容易である
これがデータベースマーケティングを推進するうえで最も重要なポイントです。データベースには、過去商談をした顧客や、問い合わせがあった企業、自社が開催したセミナーや展示会に参加した企業などがデータ化されています。つまり、一度でも自社の商品興味を抱いた企業や、ニーズを持った顧客をリスト化することができます。
また、顧客の状態や属性、接触内容なども明記することで、企業ごとのニーズに対するインパクトのあるアプローチを行えるようになり、新規顧客開拓を行うよりも難易度が下がると言えるでしょう。
② 営業に関わる人的コストの削減
データベースを活用することで、システマチックに顧客接点を構築することが可能になります。
例えば、顧客データを資本金/業界などの属性ごとにセグメントしてダイレクトメールを配信したり、3か月以内に問い合わせがあった顧客にだけメールを送信したり・・・など、顧客と商談を行う上で人的工数をあまりかけることなく商談を行うことが出来るので、コストを抑えて効率が良い営業活動を行うことが出来るのです。
③ 機会損失を防ぐ
先にも挙げたようにデータベース内の顧客の多くは、自社に対して興味を抱いていたり、ニーズを持っていた顧客です。従って、接触当時は情報収集段階であったとしても、継続的にフォローする、もしくは、接触できる環境を作っておくことは、顧客のニーズが顕在化した際に競合に流れてしまうというチャンスロスを防ぎます。
④ 営業パーソンのモチベーションキープ
新規顧客開拓は事業の成長や取引先の拡大のためにやり続ける必要がありますが、毎回新しい企業に電話をかけるというオペレーションは営業パーソンのモチベーションに影響します。もちろん、目的をもって新規営業をやらなければならないシーンは必ずありますが、データベースマーケティングと新規営業をバランスよく行うことで、営業パーソンのモチベーションを保ったまま営業活動を進めていくことができるのです。
データベースの活用方法
ますが、顧客データをもとにアプローチの方法をミックスさせ最適化を図ることが重要です。
●ケースで考える
例えば、顧客データのセグメントのひとつに、過去に[営業スキルのノウハウセミナー]に参加したことのある企業群があったとします。
このセミナーに参加した企業は、顕在的・潜在的に営業の成果を高めたいと考えていたり、営業メンバーのスキルに課題を感じている可能性がある企業です。こうした企業に、営業ノウハウに関連するコラムをメルマガ形式で送れば、自社のブランディングや、顕在的な営業課題が生じた場合に、競合他社よりも相談を受けやすい環境を作ることができるのです。(更にファン化できていれば商談も優位に進むことでしょう)
同様に、類似するセミナーを開催する際にこの企業群に情報を発信すれば、集客が容易になりますし、営業成果を高める商品やサービスを提案する見込みリストにも早変わりし、営業成果を高めることでしょう。
このように、今回は「セミナーに参加した」という顧客属性に対するアプローチ方法を例に挙げましたが、例えば以下のような活用の仕方も設計が可能です。
- 企業規模(人数/売上/資本金など)に応じて訴求内容や提案内容を変えたアプローチ
- 問い合わせが過去に来たが、訪問に至っていない企業をセミナーに集客する
- 採用を行っている企業だけに商品を訴求する
- 企業の○○部宛てに商品案内の一斉メールを送る
- 問い合わせがあった企業に、商品の利用方法や機能をステップメールで送る
- 過去提案を行い案件化した顧客に対してアプローチを行う
- 取引がある企業や受注した企業にだけ、特別プランのご案内を送る
- 営業用途以外の各種アナウンスや贈答品の送り先などのリストとして活用する
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まとめ
いかがでしたか?前編ではデータベースマーケティングの概要と活用方法について触れさせていただきました。データベースを活用することで、1からリストを集めて新規顧客開拓の営業活動を行うよりも、ずっと簡単に商談設定や受注獲得ができることをご理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、データベースマーケティングの成果をより高めるためには、
- 正しい顧客情報の管理
- 属性に合わせた最適なアプローチ手法の実施
- アプローチ結果の定量データ解析とブラッシュアップ
上記の施策を実施し続ける必要があります。
そして、これらは決して一人で出来ることではなく、継続的にデータベースマーケティングを運用するためには様々な協力者や外部ツールが必要となる場合があります。後編では、データベースマーケティングを成功させるための具体的なノウハウを6つのポイントとして解説させていただきます。ぜひご覧いただければ幸いです。