訪問営業とは?初対面から発注につなぐ訪問営業実践のコツ11選
「訪問営業ってオンライン商談が主流の今でも本当に効果あるの?」
「訪問営業で成果を出すには何をしたらいい?」
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
結論、訪問営業は
- 訪問営業の方が魅力を伝えやすい商材
- お客様が対面でコミュニケーションをとることを好んでいる
このような場合に効果が高まる手法です。
対面でのコミュニケーションだからこそ、信頼関係の構築がしやすいメリットがあります。
この記事では、訪問営業が必要な理由や、目指すべき姿、「○○さんだから発注したい!」と言われる営業パーソンになるためのコツを11個ご紹介します。
あわせてお読みください
本記事とあわせて、『営業ロールプレイングのチェックシート』もぜひご活用ください。セレブリックスでは正しい営業スキルを身につけさせるためのロールプレイング研修を推奨しています。実践型研修と呼ばれる「体験」や「実践」を取り入れた教育方法です。なぜロールプレイングが営業のスキルアップに適しているのか、また、行う際のポイントを解説しています。
目次[非表示]
- 1.訪問営業とは?
- 1.1.訪問営業のメリットとデメリット
- 1.2.オンライン商談が普及しても訪問営業をやるべき理由
- 1.3.どういう時に訪問営業するべきか?
- 2.訪問営業で目指すべき2つの姿
- 3.目指すべき姿に近づく訪問営業実践のコツ11選
- 3.1.服装は「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」として整える
- 3.2.前髪を触るなど不要な癖を取り払っておく
- 3.3.汗や臭いは対面する前に必ずケアしておく
- 3.4.はきはきと挨拶をする
- 3.5.会議室での席次を覚えておく
- 3.6.名刺の扱いを心得ておく
- 3.7.資料は営業が見せながら説明する
- 3.8.堂々とした姿勢で話す
- 3.9.ジェスチャーを取り入れる
- 3.10.エレベーターでは閉まるまでお辞儀する
- 3.11.お礼メールは終了後すぐ送れるように作成しておく
- 4.すぐ本番で実践!よりもロープレで練習しておくと緊張しない
- 5.まとめ
訪問営業とは?
訪問営業とは、お客様のもとへ事前にアポイントを取りつつ直接足を運び、自社のサービスや商品を提案する営業手法を指します。
対面のやり取りを通じて相手の反応を把握しながら提案を工夫できる点が魅力です。電話やメールだけでは気づきにくい顧客の潜在的な悩みを掘り起こせる可能性が高く、実際に相手と顔を合わせることで安心感を与えやすくなります。
似たような表現で「飛び込み営業」という言葉もありますが、飛び込み営業はアポイントを取らずに突然訪問する営業手法です。
新規開拓に勢いをもたらす反面、相手の都合を考慮しない手段でもあります。訪問営業と異なり、飛び込み営業は門前払いの確率が高くなります。
訪問営業のメリットとデメリット
訪問営業には大きなメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。
なぜなら、対面で得られる信頼感や相手の反応をリアルタイムで把握できるメリットと、移動やアポイント取りにかかるコストなどのデメリットとが常に表裏一体だからです。
メリット |
デメリット |
・対面だからこそ信頼関係を構築しやすい |
・訪問のための移動に時間と費用がかさむ |
つまり、少人数に深くアプローチできる一方で、一度に多くの顧客をカバーしづらいということです。この特徴を理解し、上手に計画を立てる必要があるでしょう。
オンライン商談が普及しても訪問営業をやるべき理由
オンライン商談が普及しても訪問営業が必要な理由としては、電話やオンライン商談では提供できない価値が訪問営業にはあるからです。
対面でのコミュニケーションは、表情やジェスチャー、声のトーンなど、非言語的な要素も含めて相手に信頼感を与えられます。対面でのコミュニケーションを通じて、オンラインでは伝わりにくい「人柄」を伝えることができます。
また、多くの企業がデジタル化やオンライン化を進める中で、顔を合わせて話をすることはむしろ差別化になります。人と人とのつながりを重視する顧客にとっては、対面のアプローチが好まれることもあるため、獲得を目指している顧客の場合は特におすすめの手法です。
オンライン商談やインサイドセールスが効率的である一方で、訪問営業はこれらの手法では代替できない価値を提供できます。そのため、業種や商材、顧客の特性に応じて適切に使い分けることが重要です。
どういう時に訪問営業するべきか?
インサイドセールスやオンライン商談が主流となっている昨今、どういう時に訪問営業を実施するべきなのか?と迷ってしまう方もいるかと思います。
「このターゲットやこの商材だから訪問営業が良い」というのは正直ありません。
状況やパターンによって異なりますが、
- お客様にとって訪問営業のほうが商材について理解してもらいやすい
- お客様が対面でコミュニケーションをとることを好んでいる
こういう場合は訪問営業がおすすめです。
訪問営業がおすすめのパターン |
どういうとき? |
具体例 |
お客様にとって訪問営業のほうが商材について理解してもらいやすい |
直接触れてもらったほうがいい商材の場合 |
お客様が触って体感できる有形商材(持ち運びできるもの) |
お客様が対面でコミュニケーションをとることを好んでいる |
・業界文化、風土 |
・足を運ぶのが当たり前という文化の企業 |
上記のような場合は、訪問営業に切り替えてみてください。
訪問営業で目指すべき2つの姿
訪問営業は、オンラインでの営業とは異なり、対面するからこそ意識すべきことがあります。
それを踏まえて、訪問営業で目指すべき姿を2つご紹介します。
- 圧倒的な清潔感と品性が備わっている営業パーソンを目指す
- 徹底した場づくりで「デキる営業」だと思わせる営業パーソンを目指す
それぞれ解説します。
圧倒的な清潔感と品性が備わっている営業パーソンを目指す
訪問営業で目指すべき姿の1つ目は、清潔感と品性が備わっている営業パーソンになることです。
訪問営業では、見た目や挨拶だけではなく相手を尊重する態度こそが「品性」の要となります。
もちろん第一印象を整えることも大切ですが、それ以上にビジネスマナーを守る、相手の都合や考えを乱暴に否定しない、自分本位に話を進めないなど、顧客に対して失礼にならない対応を心掛けることでより深い信頼が得られます。
言葉遣いや身だしなみは入り口に過ぎません。要所要所で相手を思いやる姿勢が伝わるかどうかが、結果として評価につながるのです。
徹底した場づくりで「デキる営業」だと思わせる営業パーソンを目指す
訪問営業で目指すべき姿の2つ目は、場づくりを意識して「デキる営業」だと思わせる営業パーソンになることです。
訪問営業では、声や挨拶、ジェスチャー、細かい動作など、画面越しでは見えない部分も見せることになるため、人柄がよりダイレクトに伝わりやすくなります。オンライン商談では声を大きくしなくてもマイクがひろってくれましたが、対面商談で声が小さいと、それだけで頼りない印象にうつってしまいます。
徹底した場づくりをして顧客の不安を減らし、「この営業なら信頼できそうだ!」と思わせるパフォーマンスを見せましょう。
ここからは、目指すべき姿に近づくためのコツをご紹介します。
目指すべき姿に近づく訪問営業実践のコツ11選
目指すべき姿に近づく訪問営業実践のコツを11個ご紹介します。
- 服装は「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」として整える
- 前髪を触るなど不要な癖を取り払っておく
- 汗や臭いは対面する前に必ずケアしておく
- はきはきと挨拶する
- 会議室での席次を覚えておく
- 名刺の扱いを心得ておく
- 資料は営業が見せながら説明する
- 堂々とした姿勢で話す
- ジェスチャーを取り入れる
- エレベーターでは閉まるまでお辞儀する
- お礼メールは終了後すぐ送れるように作成しておく
それぞれ解説します。
服装は「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」として整える
訪問営業では、自分の考えるおしゃれを取り入れずに、「身だしなみ」として服装に問題ないか確認しましょう。細部まで気を配った服装で臨むことは、清潔感だけでなく品性にもつながります。
ただ単にスタイリッシュに見せることよりも、プロフェッショナルで清潔感のある外見を保つことが、ビジネスシーンではより評価されるからです。近年ではオフィスカジュアルも広まってきましたが、それはあくまで自社で許されている範囲の服装であり、顧客に良い印象を与えられるかどうかは別の話になりますので注意しましょう。
身だしなみチェックは、以下のポイントを確認してみてください。
項目 |
内容 |
服装 |
・襟/袖口の汚れチェック |
靴 |
・汚れ/ゴミ/靴ひものチェック |
髪/頭 |
・髪型のチェック |
顔 |
・目ヤニ/鼻毛/口臭/歯のチェック メイクのチェック |
身体 |
・汗/汗ジミのチェック |
アクセサリー |
・メガネの汚れチェック |
かばん |
・内容物を整理 (商談に必要なものがすぐに、スマートに取り出せるかどうか) |
服装は、言葉を発する前に相手に伝える最初のメッセージです。
このチェックリストを確認して、第一印象を整えておきましょう。
前髪を触るなど不要な癖を取り払っておく
訪問営業において、前髪を触るなどの癖は、品性やプロフェッショナルな印象を損なう原因となります。
このような癖は、緊張や不安を感じている時に無意識のうちに現れることが多いですが、相手にとっては不安定や不注意に映る可能性があります。
よくある癖の例
- 前髪を触る
- 目を合わせない、目が泳いでいる
- 足を組む、座り直すなどの落ち着きのない動作
- スマートフォンや時計を何度も見る
オンライン商談の場合でも、録画やロープレ練習を通じて相手が気になってしまいそうな癖がないか確認しておきましょう。癖は自分ではなかなか気づけないことも多いため、上司や同僚に聞いてみるのもおすすめです。
汗や臭いは対面する前に必ずケアしておく
対面での商談では、視覚だけでなく嗅覚も気を付けておく必要があります。
営業パーソンが汗を大量にかいていたり不快な臭いがしていたりする状態だと、品性に欠けてしまい印象が悪くなってしまう可能性があります。特に真夏はケアが必須です。
デオドラント製品やハンカチ、ティッシュ、状況によっては予備のシャツを持参しておきましょう。また、服の素材も夏に適したもの選んでおくとケアの回数が減るかもしれません。リネン・コットン・ポリエステル・レーヨン・テンセルなど、通気性の良い素材がおすすめです。
はきはきと挨拶をする
身なりが整えられたら、次に意識すべきなのは第一声となる挨拶です。
最初の発声が商談の「場」をつくります。
- 明るくハキハキとした発声 → 躍動感があり、ワクワクする空気感
- 落ち着きがあり、ゆっくりと話す → 真剣味が増し、臨場感を演出
声が小さい、終始緩急がないなど、声に課題をもっている方は『腹式呼吸』を実践してみるのがおすすめです。
腹式呼吸ができるようになると、
- 吐く息の量、強さをコントロールできる
- 喉(声帯)に負担がかからない
- 大きな声を出さなくても響く音を出せるので、トーンやボリュームの緩急をつけやすい
など、多くのメリットがあります。
腹式呼吸の練習方法は、仰向けになって本を読む方法がおすすめです。仰向けの状態で声を出すと自然と腹式呼吸になりますのでぜひ実践してみてください。
会議室での席次を覚えておく
訪問営業で会議室を使用する際、席次を正しく理解しておきましょう。これは、相手に敬意を表し、スムーズな会話の流れを促進するために必要なマナーの一つです。営業パーソンの品性につながります。
商談前には、会議室の座席配置を確認し、どこに誰が座るかを把握しておくことが重要です。
例:会議室
議長席を中心として、議長席に近い方が上座となります。
部屋の入口から遠い:上座
部屋の入口から近い:下座
と覚えておくと良いでしょう。
また、入口が中央にある場合は、議長席から見て右側が上座となります。
予期せぬ人数の変動や、特別なゲストの参加など、状況に応じて席次を柔軟に変更する必要があります。そのため、常に場の状況を読み、適切な対応を取れるよう準備しておくことが望ましいです。
席次はただの形式ではなく、それぞれの立場に敬意を表するための重要な手段です。
その他応接室や和室、エレベーターの席次を以下の記事で解説しております。
ビジネスにおける席次や席順とは?6つのシチュエーションを画像付きで解説!
名刺の扱いを心得ておく
名刺の交換は、交換時の動きはもちろん、名刺交換後の名刺の置き方まで気を配りましょう。
席次と同様に、営業パーソンの品性につながります。とくに上位の役職者や重要なクライアントの名刺の扱い方は、敬意を示すために細心の注意が必要です。
会議中は、テーブルの上に名刺を丁寧に並べ、相手の位置と対応する形で配置します。これにより、話し合いの中で誰がどの位置にいるのかを視覚的に把握しやすくなります。重要な人物の名刺は、折れたり汚れたりしないよう特に注意して扱いましょう。
名刺ケースに入れる際も、他の名刺と区別して丁寧に保管することが望ましいです。
資料は営業が見せながら説明する
訪問営業では、紙の資料で商談をするときもあると思います。
そのときに重要なのは、営業担当者が資料を持ちながら顧客に見せ、話すペースをコントロールすることです。これは商談の「場づくり」につながります。
最初に資料を顧客へ渡してしまうと、好きなようにページをめくられてしまい、思うようなタイミングで話しにくくなってしまう可能性があります。
営業担当者がページをめくるタイミングを自らコントロールすることで、重要なポイントについて詳しく説明し、関心を引きつけることができます。事前に資料を人数分印刷しておき、説明が終わったタイミングでひとりひとりに資料を配るのもおすすめです。
堂々とした姿勢で話す
訪問営業では、終始堂々とした姿勢で話しましょう。
商談の「場づくり」において重要です。堂々とした姿勢を見せるポイントは、良い姿勢をつくることです。自信があるように見せることができるだけでなく、声も通りやすくなります。
良い姿勢をつくるには?
- 頭を上に引っ張られるイメージ
- 軽く顎を引く
- 背筋を伸ばす
- お腹をひっこめる
- お尻を引き締める
- 膝を伸ばす
- 重心をくるぶしの前に置く
自信があるように見える人は、堂々と良い姿勢でスピーチやプレゼンテーションをしていますよね。
大事なのは、良い姿勢でいることを恥ずかしがらないことです。それだけで随分良いプレゼンテーションに感じられます。
ジェスチャーを取り入れる
プレゼンテーションは一方的にスピーカーが話します。
退屈に感じられやすいため、積極的にジェスチャー(動作)を加えましょう。論じる主張にエネルギーや文脈が加わります。堂々とした姿勢と同時に、商談の「場づくり」において重要です。
手を広げる |
・問いかける |
指を出す |
・数を示す |
こぶしを出す |
・覚悟をみせる |
伝え手は最高のスピーカーを演じ切ることが重要です。
決して恥ずかしがらない、妥協しない。これを徹底して追及できれば、魅力的な伝え方ができるようになり、顧客が聞き入るプレゼンテーションになることでしょう。
エレベーターでは閉まるまでお辞儀する
最後の最後で気が抜けてしまいがちなのが、エレベーターでの対応です。
商談後エレベーターに乗って帰る際は、扉が閉まるまでお辞儀をしましょう。営業パーソンの印象は、商談時の言葉だけでなく、その前後の細やかな気配りや態度に大きく左右されます。
また、心理学のピークエンドの法則では「最後の印象で全体の印象が決まる」という理論もあります。ぜひ最後まで気を抜かずに対応してみてください。
お礼メールは終了後すぐ送れるように作成しておく
訪問営業を行った後、忘れてはならないのがお礼メールの送信です。
商談後、すぐにお礼メールを送ることで「今後も丁寧にやりとりをしてくれそうな営業パーソン」として信頼を高めることができます。
商談後の熱が冷めないうちにお礼メールを送れるように、事前にメールの下書きを作成しておきましょう。
メール内容の例
- 挨拶
- 時間を割いてくれたことへの感謝
- 共有すると伝えていた資料の添付
- 次回のアポイントやネクストアクション
お礼メールの例
○○株式会社 お話に上がりましたように、本日のお話を踏まえ |
事前に作成しておくことで、誤字脱字を減らすことができます。
商談後は追加項目などがないかチェックをして早めに送りましょう。
すぐ本番で実践!よりもロープレで練習しておくと緊張しない
ここまで11個のコツを紹介してきましたが、これらのコツを突然現場で実践する必要はありません。
商談が予定通りに進まないこともあります。ロールプレイングを通して、失礼のない商談ができるか練習しておくことをおすすめします。
どんなボールが来ても返せるように、さまざまなパターンで練習しておきましょう。
ロールプレイングを実施するときは、前提条件の設定し、徹底的に“実際の商談の場”を再現するなど、いくつかのポイントがあります。
こちらの資料にポイントやロールプレイングで活用できるチェックシートをまとめております。ぜひご活用ください。
営業ロールプレイングについてのコラムはこちらをご覧ください。
営業ロープレは意味ない?ロールプレイングを実施するメリットとコツ
まとめ
訪問営業について解説しました。
訪問営業や営業に関することでお困りの点がありましたら、セレブリックスにぜひご相談ください。まずは現状のお話を聞かせていただいた上で、最適な解決策をご提案いたします。