営業ロープレは意味ない?ロールプレイングを実施するメリットとコツ
営業のマネージャーやリーダーが一度は悩む部下育成。昔であれば、自分を見て技術を盗め!で済んだかもしれませんが、それだけではなかなか成長しないのが今の時代です。
同じ事でもイチ言えば本質を理解して、すぐに自分の術にできる優秀な営業パーソンもいれば、何度見せても、指導しても思うように上手くいかない営業パーソンもいます。最も危険なのは、上司の前ではわかった素振りをするのに、実際の商談では全く異なる営業活動をしているケースです。
そんな悩みが尽きない部下育成ですが、正しいスキルを学び、そして実際に身につけるために、ロールプレイングを取り入れた研修を行うことをおすすめします。実践型研修と呼ばれる、体験や実践を取り入れた教育方法です。
今回のコラムは、なぜ営業のスキルアップにロールプレイングが一番適しているのか、そのメリットと合わせてスキルアップにつながるロープレのコツを解説いたします。
あわせてお読みください
本記事とあわせて、『営業ロールプレイングのチェックシート』もぜひご活用ください。セレブリックスでは正しい営業スキルを身につけさせるためのロールプレイング研修を推奨しています。実践型研修と呼ばれる、体験や実践を取り入れた教育方法です。なぜロールプレイングが営業のスキルアップに適しているのか、また、行う際のポイントを解説しています。最後には簡易的なチェックシートもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
目次[非表示]
営業ロールプレイングを実施するメリット
再現性がある
ロールプレイングで行う研修は、現場での再現性が高いと言われています。例えば、顧客の課題発見に力を注ぎなさい…と言われても、言われていることは何となくわかっても、具体的にどうすれば良いか分からず、多くの方が戸惑うのではないでしょうか?
ロールプレイングによる研修では、課題発見のためのヒアリング方法や聴き出し方を、具体的に実践します。そうすることで、こうした曖昧さが無くなり、現場でも研修成果を発揮することができます。研修の際は、ヒアリングの仕方が悪ければ、やり直す…これを繰り返すことで、理屈を覚えるのではなく、現場で再現できるスキルを身に付けることができます。
習慣化できる
顧客からの、断り文句やネガティヴな解答に対する切り返しや、シーン別のヒアリングによる話の掘り下げ方などは、理屈で覚えるより、体で覚える方が手っ取り早いと言えます。習慣化してしまえば、一回一回悩んだり考えたりしなくても即座に顧客応対が可能になるため、効果が期待できます。
成功体験を積める
ロールプレイングを通して、失敗を沢山経験し、その失敗を活かして成功する経験を積ませましょう。
営業は総じて、成功体験を多く積んだ営業パーソンが成果を出します。営業における、トークや引き出しが増えることはもちろん、精神的な影響もあります。上手くいっている営業パーソンは、常に上位にいないと自分のプライドが許しません。成功体験がある人ほど、勝ち続けることに貪欲なのです。
一方で成功体験が少ないと、悩み、もがき、そしていつしかできないことや負けることに慣れます。向いていないと、自分を納得させようとします。それでは何の解決にもならないのです。そのため、ロールプレイングという仮想本番環境を通して、成功を沢山経験させましょう。その成功体験が自信につながります。
営業ロールプレイングでスキルを上げるためのコツ
営業ロールプレイングは、ただ実施するだけではスキルにつながりません。本人の姿勢だけでなく、顧客役や運営サイドにも意識すべきことがあります。コツは下記の3つです。
- ロールプレイングのルールを営業役と共有する
- 商談ロープレは本番と同様に行う
- 失敗を称える環境(文化)を作る
それぞれ解説していきます。
ロールプレイングのルールを営業役と共有する
ロールプレイングを実施する際には、営業役とルールを共有しましょう。事前にお互いに合意を得ることで、場のコントロールがしやすくなります。
例
- 営業役は自ら商談を止めないこと
- 商談をストップできるのは顧客側(マネジメント側)のみ
- 商談中は笑わないこと
ロープレ中に終始ルールを意識するためにも、必要に応じてホワイトボードに記載をすると良いでしょう。
商談ロープレは本番と同様に行う
商談ロープレは、なるべく本番の環境に近づけた空間をつくってからおこないましょう。本番時にロールプレイング同様の営業活動ができるように、厳しいケースを用意するくらいが丁度良いです。
例
- 名刺や資料を用意する
- 顧客役の潜在課題や現状設定を用意しておく
練習だからといって、営業パーソンが名刺や資料を用意していない場合は必ず指摘しましょう。一方で顧客役の役割もとても重要です。演じる技術だけでなく、マネージャーの立場に立ったときに、このシーンではもっと聞き出すべき…といった営業技法の回答をあらゆるシーンで持っていなければなりません。
失敗を称える環境(文化)を作る
商談ロープレは、営業パーソンが勇気をもって自分のできないことをさらけ出す場です。そのため、途中で止めたときや、ロープレが終了した際には必ず拍手をし、商談ロープレに臨んだ営業パーソンを称える環境(文化)をつくりましょう。
ポイント
- 商談ロープレが終わったら必ず拍手をして称える
- フィードバックは良い点と改善点を1点ずつ伝える
また、商談ロープレでできないことがいくつも見つかったとしても、フィードバックは少ない数に絞って短く伝えるのがおすすめです。一気にいくつも言われても、営業パーソンは覚えられませんし、意識する事が多すぎて改善難易度が上がってしまいます。なるべく商談ロープレ内で改善できるような量で伝えましょう。
あわせてお読みください
本記事とあわせて、『営業ロールプレイングのチェックシート』もぜひご活用ください。セレブリックスでは正しい営業スキルを身につけさせるためのロールプレイング研修を推奨しています。実践型研修と呼ばれる、体験や実践を取り入れた教育方法です。なぜロールプレイングが営業のスキルアップに適しているのか、また、行う際のポイントを解説しています。最後には簡易的なチェックシートもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
まとめ
今回のコラムでは、営業ロールプレイングが営業のスキルアップに適している理由を解説いたしました。本番で営業の経験を蓄積しても、顧客は何で買わないのか、本音を教えてくれません。だからこそ、ロールプレイングの中で、間違いに気付き、その場で直して成功体験を得ることが重要なのです。
次回のコラムでは、ロールプレイング研修を行う上で、大事なポイントについてご紹介致します。現場で再現性の高い営業研修であれば、最大級の実績を持つセレブリックスが、お客様の目的にあわせたカリキュラムをご提供いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
監修者プロフィール | |
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執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト 株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。 2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。 Everything DiSCの認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。 |