成果報酬で請けたいのはこんな案件!営業代行会社のホンネと依頼したいときのポイント4つ
営業代行を発注したいと考えたとき、「成果報酬」と「固定報酬」どちらが適しているのかお考えになったことはないでしょうか? また、まずはリスクのない「成果報酬」で営業代行会社に相談し、「それはお請けできません」というように断られてしまったご経験はないでしょうか?
今回は、営業アウトソーシングサービスを展開するセレブリックスが、「営業代行会社が請けたくなる成果報酬案件の特徴」について解説いたします。皆さんがお持ちの商品・サービスをイメージしながら読み進めてみてください。
目次[非表示]
- 1.営業代行の成果報酬と固定報酬の違いとは?
- 2.自社商品・サービスを「営業代行会社が請けたくなる成果報酬案件」にするために
- 2.1.売れるという実績を提示する
- 2.2.プロダクト・ライフサイクルが明確になっている
- 2.3.売るための条件が合致している
- 2.3.1.受注単価が最大でも「数十万円レベル」のものであること
- 2.3.2.リードタイムが1ヶ月を切るもの
- 2.3.3.ターゲット母数が数千件を越えるもの
- 2.4.営業代行会社に儲ける仕組みを共有する
- 3.まとめ
営業代行の成果報酬と固定報酬の違いとは?
成果報酬とは、受注やアポイントなど事前に取り決めた「成果」に対して、1件ごとに支払いが発生するという考え方です。対して固定報酬は月額いくら、のように成果に関わらず固定で料金が発生します。
成果報酬での取り組みは一見リスクがなさそうに見えますが、「なぜ売れるのか?なぜ売れないのか?」という営業活動における戦略分析をお客様と同じレベルで検討することは基本的にありません。 なぜなら、営業代行会社は成果報酬の場合、「売れるなら売る、売れないならやらない」というスタンスを取っている場合が多いからです。
営業代行会社に依頼をすると、少なくとも数か月間、営業支援の取り組みが実施されます。実施中に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、営業代行会社が飛びつきたくなる成果報酬体系について、4つのポイントを解説します。
自社商品・サービスを「営業代行会社が請けたくなる成果報酬案件」にするために
売れるという実績を提示する
「成果報酬」は会社で働く営業パーソンにとってみれば、インセンティブやコミッションと言われるものに相当します。まさに「売上が上がった分から報酬をお支払いします」というものです。
私の友人に外資系の生保会社に勤務し、固定給0円で成約数や金額などに応じた分をインセンティブとして高い報酬を得ている人がいます。なぜ彼がそんな働き方が出来るのかと言うと、大きな要因としては、営業パーソンとしてのスキルや人柄というその人自身に属している部分の能力が高いからです。これについては皆さんも簡単にご想像いただけることと思います。
ただ、その彼がなぜこの仕事を選ぶことが出来たかというと、
- 商品そのものの魅力や優位性
- お客様を見つけ出す「探客の難易度」
といった重要なポイントをおさえていたからです。
つまり、「誰に」「何を」「どのように」営業活動をするとどのような成果が出る、というストーリーが明確になっていることがフルコミッション(成果報酬)で仕事を請けられるかどうかの基準となります。 (もちろんそれら戦術を支える教育やプロモーションなど、会社としての後方支援があってのことです。)
BtoBの領域でも、当然同じことが言えます。
非常にシンプルですが、ご依頼のあった商品・サービスが、
- 誰に(ターゲット)
- どのように(手法)
- どれだけのアクションを取ると(プロセスの量)
- どれだけの成果になるか(成約数、売上)
が明確になっていることで、営業代行会社側がシミュレーションできるからです。
成果報酬で営業代行を発注した際、営業代行会社は依頼のあった商品・サービスの上記ストーリーが明確になっているかどうかを知りたがるはずです。ご注意いただきたいのは、「明確になっている」を「●●だと思う」というような「想定」では足りません。
「明確になっている」は、あくまで営業実践に基づく「実績」である必要があります。 「想定」のままではあくまでも仮説です。その際は仮説を検証するために、テストマーケティングの意味合いを含めた固定報酬での営業代行を検討されることをお勧めします。
プロダクト・ライフサイクルが明確になっている
次に重要なのは、「その商品・サービスや市場自体がどの位置にいるか」が明確になっていることです。これは営業代行会社が営業活動をシミュレーションする上で非常に大切になります。
そして成果報酬で営業代行を受ける場合、プロダクト・ライフサイクルにおける「成長期」もしくは「成熟期」が対象となることが多いです。「導入期」でも成果報酬にてお請けするケースもありますが、戦術として何かしらの施策が必要となります。例えば、「一定期間無料」や「特典の付与」などを付帯していると取り組みやすくなるのではないでしょうか。
売るための条件が合致している
3つ目のポイントは、売るための条件である「受注単価」「リードタイム」「ターゲット母数」の条件が合致していることです。それぞれを解説します。
受注単価が最大でも「数十万円レベル」のものであること
金額の大小によって、提案を受けた側も決裁者が変わることがあります。また、購買に関わる人が多くなるほど、受注までの障壁も多くなり、受注獲得の難易度が上がります。
受注難易度が高いと、成果報酬で請負うにはリスクがあると判断されるため、「一人のキーマン・決裁者が決断しやすい商材・サービス」が最適だと言えるでしょう。
リードタイムが1ヶ月を切るもの
一つの営業行為が白黒ハッキリする期間として、「1ヶ月以下」が望ましいです。
営業代行会社は、成果報酬で請けている場合には「今この活動がどのタイミングでどれだけの売上・利益になるのか」を必ず検証します。そこに時間がかかってしまうと、「なかなか成果にはなりにくい仕事」と判断することになりますので、1ヶ月以下で成果が出せる商品・サービスであることが望ましいです。
ターゲット母数が数千件を越えるもの
せっかく営業をスタートさせても、数週間でリストが枯渇してしまっては、一定以上の売上・利益は創りにくいものと考えてしまいます。言い換えると、営業支援開始後どれだけの期間に渡り営業活動が継続でき、中長期的な売上・利益創出に繋がっていくのかが重要です。
そのため、ターゲットの母数が多ければ多いほど最終成果に対する期待値は高くなり、より多くの人員体制を組んで意欲的に取り組むことが想定されます。
営業代行会社に儲ける仕組みを共有する
最後のポイントは営業代行会社側があまり語らない部分について触れさせていただきます。
成果報酬で依頼しようと考えたときには、営業代行会社に「儲け」を取らせることも重要な指標として検討してみてください。 営業代行会社は、営業パーソン一人あたりの人件費単価の2倍から3倍の売上(成果)が欲しいと考えています。
代理店ビジネスを想像してみてください。
例として、売上の30%をマージン(手数料)として代理店が収入として得ることができるとすると、売上200万円でマージン60万円(粗利)となります。若手営業パーソンが入社後の数ヶ月以内に創る実績、といったところでしょうか。若手営業パーソンで上記のような金額ですから、より高いスペックや経験値を求めればそれ以上の売上粗利が必要になります。
まずは、営業代行会社に成果報酬体系で継続できる判断をさせ、その後お客様が想定されるCPAやROIに近づけていくことが結果として良いでしょう。すべて最初から優先順位を高めてはなりません。 まずは成果を創ることで売上利益が確保できる状態を作らせましょう。 営業効率が高まってくるタイミングでコストダウンを図れば、互いにとってよい取り組みになるに違いありません。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。今回お伝えした内容は、全ての成果報酬体系に当てはまるわけではありません。ただし、成果報酬をご検討いただくにあたり少しでもヒントになるものがありましたら幸いです。
今はますます優秀な営業パーソンを採用しにくい時代になってきています。「営業代行」がより皆様のお役に立てるサービスとなるよう、我々も常に努力し皆様の事業展開に寄与できるようチャレンジしてまいります。
※この記事は、2014年9月3日に書かれた記事を再編集したものです。
監修・執筆者 | |
執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト 2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。 |