営業トークスクリプトの精度を高めるコツ4選【例文つき】
前回、【営業成果を高めるためにトークスクリプトが有効なワケ 5選】というコラムをお届けしました!ご覧いただき、「トークスクリプトを作ってみよう」「実際に作ってみた」 そんな気持ちになっていただけたら嬉しいです!
※前回の内容を読みたい方、トークスクリプトって何?という方はこちら↓
今回はその続編で「トークスクリプトを作ってみたけど、どうやって運用や改善していけばいいんだろう」、そんな疑問にお答えするコラムです! トークスクリプトは作って終わりではありません。
状況に応じて言葉を選びなおし、言葉を磨いていきながらブラッシュアップしていくことで、あなたの営業力はさらに高まっていくはずです。
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目次[非表示]
トークスクリプトの精度を高める方法4選
精度を高める方法① 一定期間・一定量はしっかり使ってみる
トークスクリプトを使って営業していると、「もっとこうした方がいいのでは」、「こっちの言い回しの方がいいかな…」など、アイデアが多くでてくると思います。しかし、それらをすぐに反映させてしまうと、結局作ったトークスクリプトがどうだったのか効果検証が上手くできなくなってしまいます。そのため、まずは一定期間、一定量使ってみる ことを推奨します。
BtoBのアウトバウンドコール(新規開拓のためのコール)では、アポイント獲得を目的とした場合、100回のコールから1~3件のアポイント獲得が相場だと言われています。(特定企業の深耕を目的としたABM活動はこの限りではありません)ですので、数件電話しただけでトークスクリプトを変えてしまうのは少し早計かもしれません。
「じゃあ結局のところ、どのくらい試してみればいいの?」という点についてお伝えします。電話の件数でいえば最低でも100件分は担保することが望ましく、300件分あれば統計上もある程度信頼できるサンプル数だと言えます。1日に何件電話をするのか、同じトークスクリプトを使っている人が何人いるのか、で結果が溜まるペースが変わってくるので、期間よりも量を重視して効果検証することを推奨しています。
精度を高める方法② よくある質問やお断り理由に対応するフレーズを用意する
トークスクリプトは会話内容の理想形が記載されていますが、当然、相手からのリアクションや差し込みが入ってきます。 そのため、「トークスクリプト通りにアポイント獲得できた!」というケースの方が珍しいです。ですので、トークスクリプト通りにいかないケースを想定して複数のパターンを備えておきましょう。
用意するものは、大きく分けて「よくある質問」と「NG理由、またはボトルネック」の2つです。それぞれ具体例を見ていきます。
よくある質問
- 料金は?
- 〇〇ってできるの?(機能面)
- 実績はあるの?
- どのくらい効果があるの?
- 他社さんとは何が違うの?
NG理由またはボトルネック
- 予算がない
- 費用が高い
- 〇〇については困っていない
- もう〇〇を使っているから大丈夫
- 自社には合わなさそう
サービスのジャンルに関わらず直面する例を挙げてみました。こういったよくある質問やNG理由に適切に切り返すことで、アポイント獲得に至ることも多くあります。ですので発生した時に、的確に自信を持って切り返せるよう、トークスクリプトに落とし込んでいきましょう。
精度を高める方法③ お断り理由に着目する
上記の②で切り返しを実行しても、アポイントをお断りされてしまうケースをゼロにすることは難しいです。そこで、「お断り理由を集計し、それをトークに反映させる」という考え方でのブラッシュアップ方法をお伝えします。
具体的には、お断り理由を言われる前に、先回りして情報を伝えることでそもそもお断り理由を言われないようにするという方法です。例えば、「自社にマッチしなさそう」がお断り理由の割合として高い場合、「〇〇業界の企業様に特に導入いただいており」と先に伝えることで、お断り理由の発生を防ぐというものです。
実はこの効果を裏付けとして、「一貫性の法則」という心理効果があります。
『自らの行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理のこと』です。上記の例で言えば、一度お客様が 「自社にマッチしなさそう」と言葉にしたあとに納得できる回答を得られたとしても、最初の自分の意見を変えることに抵抗が出てしまうのです。
だからこそ、お断り理由を言われる前に、先回りして伝えることでそもそもお断り理由を言われないようにすることが大切です。ただし、お断り理由の種類も多岐にわたることが多く、全てを盛り込むことは現実的ではありません。頻出するものやトークで改善できそうなものに絞って改善すると効果的です。
精度を高める方法④ 業界別や従業員規模別など、セグメント毎のバージョンを用意する
トークスクリプトとは1種類であるべきという訳ではなく、いくつかのセグメントに分けてそれぞれのパターンを用意するのも効果的です。特にホリゾンタルSaaS※ と言われるプロダクトは、ターゲット企業の範囲が非常に広いため、業界や売上規模、従業員数などを切り口に複数のパターンを用意すると良いでしょう。
※ホリゾンタルSaaS:業界を問わず、特定の業務に使われるSaaSのことを指します。
複数のパターンを用意することで、 「この企業にはこういうトークをしよう」という思考部分がショートカットできるので効率化にも繋がります。ただし、トークスクリプトのパターンを多く作りすぎて、効果検証できなくなってしまうこともよくある事象なので、方法①「一定期間・一定量はしっかり使ってみる」で述べた「一定量のデータが取れるかどうか」も意識して取り組んでみましょう。
いきなり多くのパターンを作ろうとすると、手間がかかってしまうので、まずは下記2つの部分をパターン化してみるのがおすすめです。
1. 導入企業名の例示部分
架電先と近しい事例を紹介するために、企業規模や業界、企業フェーズ毎に紹介できる事例を整理しておくと良いでしょう。
2. 導入メリットの提示部分
例えば、「作業効率アップ」「コスト削減」「売上強化」など、サービスの導入メリットは企業によって異なるので、必要に応じて伝えられるよう事前にスクリプトに記載しておきましょう。
このように、よくあるパターンのトークスクリプトを準備しておくことで、電話の質と量を両立することができます。
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終わりに
トークスクリプトの精度を高める方法についてお伝えしました。トークスクリプトは作って終わりではなく、作ってからの方が大事と言っても過言ではありません。本コラムがトークスクリプトのブラッシュアップの参考に、そして営業活動の成果向上の一助になれば幸いです。
セレブリックス セールスカンパニー 営業支援事業部 木下昌洋