わずか2年でトップセールスに上り詰めた営業が実践し続けた21のコツ
「成果を出し続けるトップセールスは自分と何が違うんだろう?」そう思ったことはありませんか?
特に「売れないが続く苦しい状態」から「成果をコンスタントに生みだせる状態」まで変化させることができる営業は、一体どんな工夫をしているのか気になるのではないでしょうか。そこで今回はセレブリックスに転職後、初の法人営業に苦しみながらも、2年目にして上期売上1.2億(目標達成率205%)までに成果を押し上げた弊社のトップセールスに、約1年間で実践してきた秘訣を伺いました。
今でこそ大きな成果を出している比留川さんですが、法人営業を始めた頃は毎日のように悩んでいたそうです。「前職で営業経験があったので人並みには売れると思っていたんですけど、この会社にはいってから売れなさ過ぎて、もはややっている意味がわからなくなったんですよね(笑)」と表彰インタビューで語っていた比留川さん。
この記事では、そんな苦しい状態から抜け出し、圧倒的成果を出すまでに実践してきたコツを21個ご紹介します。ひとつでも参考になれば幸いです。
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本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。
目次[非表示]
- 1.トップセールスが成果を出すために実践してきたコツ21選
- 1.1.1. トップセールスのロープレ動画を見てコツを盗む
- 1.2.2. 週3回のロープレ練習で最低限の準備をする
- 1.3.3. 上司に商談同席を依頼して第三者目線のフィードバックをもらう
- 1.4.4. 不安やストレスは溜め込まず言葉にする
- 1.5.5. メールが来たらその日中に返信する
- 1.6.6. タスクを依頼されたら完了目安を必ず伝える
- 1.7.7. タスクを依頼するときは希望日時を伝える
- 1.8.8. オンラインで公開されている顧客情報は事前にインプットしておく
- 1.9.9. アプローチの段階で必ず近しい事例を話せるようにする
- 1.10.10. お礼メールはその日中に必ず送る
- 1.11.11. メールで質問を送るときは先方が回答しやすい状態で送る
- 1.12.12. お客様に「現場の生の声」を伝える
- 1.13.13. 商談冒頭で目的を共有してズレがないようにする
- 1.14.14. つじつまが合わないと感じたポイントを深堀りする
- 1.15.15. 担当者に合わせて伝え方を変えてみる
- 1.16.16. 担当者の表情を見ながら認識のズレがないか確認する
- 1.17.17. 主張に一貫性をもたせた提案書を作成する
- 1.18.18. 提案後は担当者に「所感」を必ず聞く
- 1.19.19. 相談できるメンターを一人だけつくる
- 1.20.20. ロードマップを作成して「いつまでに」「どんな状態」を目指すのか決める
- 1.21.21. わからないことは放置せずすぐ解決する
- 2.最後に
トップセールスが成果を出すために実践してきたコツ21選
私が法人営業で成果の出ない苦しい状態から上期売上1.2億(目標達成率205%) を作り出すまで、約1年かけて実践してきたコツを21個ご紹介します。
1. トップセールスのロープレ動画を見てコツを盗む
商談受注率を高めるために、先輩や上司の商談ロープレ動画を何度も見てコツをつかみ、真似をしていました。最近はYouTubeで営業のロープレ動画を公開しているチャンネルも多くあるので勉強しやすいです。
弊社CMO今井の商談動画もYouTubeでチェックできます。
動画を見るだけでも学べることはたくさんあります。
- 服装、髪型
- オンラインであれば画角
- 身振り手振り
- 話すスピード
- 声のトーン
- 間の取り方
私は特にお客様の潜在的な課題を見つけること(ファクトファインディング)を苦手としていたので、その部分を何度も何度も見直した記憶があります。おそらく10時間分くらいは動画を見たんじゃないでしょうか。
なかでも直した部分が以下の3点です。(もちろん今でも試行錯誤中です)
- 商談の進め方
- 仮説の当て方
- 質問のバリエーション
動画を見ながら自分の足りないポイントを見つけつつ、「どうしたら再現できるのか?」を言語化し、実践の場で繰り返しアウトプットする。今の自分より営業スキルを上げたいなら、この地道な作業こそおすすめです。
2. 週3回のロープレ練習で最低限の準備をする
商談の本番に入る前に、週3回のロープレをして練習を重ねました。商談の本番までに必要な準備期間です。ロープレ練習では商談の流れを掴んだり、身だしなみのチェックや話し方の癖を直したりなど、最低限必要なことを学びました。
実際のスケジュール表。曜日や時間はとくに決めていなかったそうです
私の場合は上司の能村さんに頼んでロープレ練習に付き合ってもらっていました。大体30分〜1時間くらいロープレして、フィードバックは15分くらい。アプローチとファクトファインディングをメインに練習していました。
自分が成長できたなと感じるポイントのひとつに、フィードバックの細かさがあります。下記の資料はテレアポ用にはなりますが、 そのフィードバックポイントを一部まとめたチェックリストです。画像下のURLから無料でダウンロードできますのでぜひ参考にしてみてください。
3. 上司に商談同席を依頼して第三者目線のフィードバックをもらう
商談をするようになって半年~1年ほどは、ほぼ毎回上司に商談同席をしてもらっていました。商談後にフィードバックをもらい、改善内容を毎回メモして、次回の商談前に見返すようにしていました。
下記は、当時実際に上司からもらったフィードバックです。
■good
・素朴な疑問をぶつける〇
・曖昧な回答になっていた過去アウトバウンドの実施有無を濁さずに言質とれたことが良かった
・目標がなぜ5件なのかを聞けるのめっちゃ良いね、→これは良い質問
└せっかくならここは更に深堀しないともったいない
・情報無いなかで課題の取りまとめにチャレンジできたのよかった
■goodmore
・理由から入る癖が戻ってきた気がします
まずは結論→理由、このステップは再度強く意識しましょう!
例)見積り部分:理由から入ることで言い訳のように聞こえてしまう
・プロセス変数の部分は口頭だと伝わりづらいので簡易的なシミュレーションがあるとよかった。テキストがあるだけでも違います。
・解決策は小出しではなく、本質的な課題を特定したうえで後出しましょう。
└SFの運用やプロセス改善も実施する の部分
・うちが提案するために必要な質問は最悪メールでも十分です。
それよりも何ができたら理想なのか、そのために何が障害なのかを把握して解決すべき課題に合意を得ることが重要です。
例)スケジュールや管理帳票は何を使うかなどは課題設定の後に必要な情報
自分が意識していたこととしては、どんなフィードバックでも素直に受け止めることですね。そして、すぐ改善する。私は前職で営業経験者ということもあって、言われて悔しい気持ちも最初は多少あったんですが「わからないから仕方ない!」と割り切りました。
そこからPDCAを回せるようになって、成長スピードが速まったと思います。自分で成長を止めるようなことはしないほうがいいんだなと実感しました。
4. 不安やストレスは溜め込まず言葉にする
不安やストレスが溜まっているときは、必ず溜め込まずに言葉にするようにしています。毎回誰かを頼るわけにもいかないので、紙やPCのメモに書いたり、それさえも面倒なときはよく独り言を言ったりしています(笑)
とにかく制限なく、思っていることをそのまま書くようにしていましたね。あと弊社は何でも相談できる専用の部署があり、そこでも定期的に話していました。本人の希望がなければ相談内容を共有されないシステムになっているので、気にせず自分の気持ちを話せます。今でも時々お世話になっています。
自分でもいくつかストレス発散法を持っていることも大事ですが、外部も積極的に頼って、相談できる場所を増やしておくことも大切だと思います。
5. メールが来たらその日中に返信する
些細なことかもしれませんが、お客様からメールが来たらその日のうちに返信するというルールにしています。「明日でいいや…」と後回しにしてしまうと次の日に忘れてしまったり、メールが溜まって見逃してしまう可能性があったりするからです。
とはいえ深夜(例えば22時以降)の連絡であれば次の日に回しますし、休日に来た連絡であれば出勤日に返信します。有給休暇を取得しているときはアシスタントに返信してもらうなど、自分ができる範囲でなるべく早く仕事を進められるようにしています。
6. タスクを依頼されたら完了目安を必ず伝える
営業をしていると、お客様からわからないことを聞かれたり、タスクを頼まれたりすることがあると思います。そのタスクが当日中に解決できなさそうな時は、お客様にタスクの完了目安を必ず伝えるようにしています。自分がタスクを進める際も期限を決めることができますし、お客様の不安や心配を最小限に抑えることができるからです。
完了目安を伝える例
○○株式会社
△△様お世話になっております。
セレブリックス比留川です。先程はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました!
26日(火)までに本日お打ち合わせした内容を企画書に追加し、改めて送付いたします。ご不明な点等ございましたらお申し付けくださいませ。
引き続き何卒よろしくお願いいたします。
7. タスクを依頼するときは希望日時を伝える
お客様からだけでなく、営業側からお客様にタスクを頼むことがありますよね。そのときはお客様に返信の希望日時を伝えるようにしています。返信の目安を伝えておけば、自分のスケジュールも立てやすくなるのはもちろんですが、仮に返信が来なかった場合でも催促しやすくなるからです。
返信の希望日時を伝える例
○○様
お世話になっております。
セレブリックス比留川です。送付いたしました御申込書の修正部分に関しまして、その後いかがでしょうか。
1月4日(木)よりオンボーディング開始となるため、恐れ入りますが明日26日(火)中にご契約書類を締結させていただけますと幸いです。ご不明な点等ございましたらお申し付けくださいませ。
お忙しい中恐れ入りますが、ご確認の程よろしくお願いいたします。
依頼する内容にもよりますが、あまり急かしすぎないようなスケジュールにしています。
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8. オンラインで公開されている顧客情報は事前にインプットしておく
商談に臨むときは、事前にお客様の情報をなるべくインプットするようにしています。自分が営業を受けてみるとわかるんですが、「その情報、うちのWebサイト見たらすぐわかるんだけどな…」「何回も同じこと聞いてくるな…」と思うことが何度かあり、気を付けるようになりました。
ある程度インプットできていると、余計なヒアリングをせずに商談がスムーズに進められますし、お客様の心象も良くなります。
事前にインプットする内容は、以下のような項目です。
- 経営ビジョン
- 企業概要
- 事業概要
- 商材概要
- ターゲット
- 競合環境/企業
上記の要素を企業のHPなどからチェックし、併せてお客様に近い事例と、インサイドセールスがヒアリングした内容を確認しておきます。
9. アプローチの段階で必ず近しい事例を話せるようにする
「お客様の情報をインプットする」という項目に付随して、お客様に近い事例をいくつか話せるようにしています。 近い事例をお伝えすると成果をイメージしてもらいやすくなりますし、早い段階で共有をすることでサービスに興味をもってもらいやすくなるからです。
事例は大体3つのパターンを用意しておき、商談の雰囲気を見て良さそうなものをピックアップして話します。
- サービスが近い事例
- ターゲットが近い事例
- 課題が近い事例
10. お礼メールはその日中に必ず送る
商談後のお礼メールは必ずその日のうちに送ります。もともと前職から実施していた習慣で、商談で投影していた資料を早めに送付することでお客様も商談内容を忘れないうちに見返すことができますし、シンプルに連絡が早いほうが印象も良くなるからです。
お礼メールの例
お世話になっております。 セレブリックス比留川です。
本日はお忙しい中お打ち合わせのお時間をいただきまして誠にありがとうございます。 貴社ご状況について丁寧にお答えいただき大変嬉しく思います。
本日投影しました、弊社クレデン、営業支援カタログを以下URLにて送付いたします。
ご査収くださいませ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆弊社クレデン *****
◆営業支援カタログ *****
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お忙しい中恐れ入りますが、ご確認の程よろしくお願いいたします。
商談で聞き忘れてしまった質問や確認事項があれば、追加して聞くこともあります。
11. メールで質問を送るときは先方が回答しやすい状態で送る
メールでお客様に質問を送るときは、先方が回答しやすい文章を作成して送っています。お客様に質問を送ったときに、「この答えが聞きたかったんじゃないんだけどな…」と、想定とは異なる回答で返信が来たことはないでしょうか?また質問を繰り返すなどしてムダな工数を増やさないために、自分がほしい内容の回答で答えてもらえるように工夫しています。
書き方のポイント
- ひとつの質問に対してふたつの観点で回答がほしい場合は、解答欄を2か所用意しておく
- 例:①受注理由、②失注理由
- お客様がどんな答え方をすれば良いのかすぐわかるように記載しておく
例:「○○件」など
- なるべく少ない選択肢で用意しておく
質問をするときの具体例
お世話になっております。
セレブリックス比留川です。
先日はお忙しい中、お打ち合わせのお時間をいただきまして誠にありがとうございました。
ご依頼いただいておりますお見積りの作成に向けて、以下項目を差し支えない範囲でご教示いただけますと幸いです。
ご質問事項~~~~~~~~
①外部リソースに期待する営業目標を教えてください
・アポイント獲得数:〇件/月
・受注件数:〇件/月
・受注金額:〇円/月
※上記の月間目標に×12ヶ月をすることで年間目標となる理解をいたします。
➁アポ獲得~受注までにかかる時間(リードタイム)
※初回接点から契約締結までに発生する期間の平均値を教えてください
③過去のアウトバンドセールスでの営業実績を教えてください
※1人あたりの数値でいただけますと幸いです。
・コール数:〇件/月 (※純粋な架電件数、1社に3回架電した場合は3コールで計算)
・コンタクト数:〇件/月 (※キーマンへの接触数)
・アポイント数:〇件/月
・月間商談数:〇件/人 (※獲得したアポイントが実施できた数)
・受注件数:〇件/月
※仮にアウトバウンドでの実績がない場合は、引き合い営業での実績でご記載くださいませ。
④ご提供いただけるアタックリストの母数を教えてください
⑤営業リストはどこで管理されていますでしょうか?(SFDC/Excel/スプレッドシート等)
⑥SFA・CRM等の案件管理ツールは導入されていますでしょうか?(SFDC/ハブスポット等)
※また営業代行を実施するにあたり案件管理ツールについてご指定があれば併せて教えてください。貴社ご指定のツールで管理を行う場合、活動量が変動する可能性がございます。
~~~~~~~~~~~~~~
以上となります。
ご質問項目について、ご不明点等ございましたらなんなりとお申し付けくださいませ。
お忙しい中大変恐れ入りますが、ご確認の程何卒よろしくお願いいたします。
自分のほしい回答をもらうためだけでなく、お客様も回答に迷うことなく答えやすくなるというメリットもあります。
12. お客様に「現場の生の声」を伝える
お客様の不安を解消するためには、納品現場のリアルな状況や声を伝える必要があります。私は商談で質問されたときにはっきり説明できないこともあったため、納品現場のマネージャーに協力を依頼して、自分が説明できない部分を補ってもらうことにしました。
- 商談に同席してもらい、現場のことを代わりに答えてもらう
- 相談の機会をもらい、不明点を解消する
商談でよく聞かれる具体的な支援内容についても、リーダーやマネージャーに解像度高く回答してもらうことができるようになりました。ときには、質問のメール返信など細かいところまで相談することもあります。
一見工数のかかる作業に見えても、納品時に「聞いていた話とちがう」「お客様が認識していることが現場感と違う」といったような不和を避けられる点が大きなメリットです。
13. 商談冒頭で目的を共有してズレがないようにする
提案段階の商談では、冒頭に必ず「目的」を共有しています。お客様に商談に興味をもってもらい、聞く姿勢をもってもらうためです。例えばTV番組や動画を見るとき、私たちは冒頭の「ハイライト」にひきつけられて最後まで気になって見てしまいますよね。商談も同じように、最初に興味や期待感をもってもらうことで、その後も飽きずに聞いてもらうことができます。
目的を共有する際に見せている資料例
目的を伝えるときは「誇大でインパクトのある表現」ではなく、お客様のメリットを端的に訴求できる魅力的かつキャッチーな言葉を用意することがポイントです。
14. つじつまが合わないと感じたポイントを深堀りする
商談において、お客様が本当に必要としている課題を見つけ出すためには高いヒアリングスキルが重要です。しかし「どのタイミングで深堀りしたらいいのかわからない」と悩む方が多いのではないでしょうか。
これまで実践してきたなかで私が思う深堀りするタイミングは、話を聞いていて「つじつまが合わないな」と感じたところです。
例
- 話や回答が曖昧なところ
-
話や回答が矛盾しているところ
- リソースが足りているけど、成果が発揮できていないんですよね… など
矛盾しているところを深堀りしていくことで、自社サービスの強みを生かせそうな点を見つけていきます。
ちなみに、ヒアリングで「ここをもう少し詳しく知りたい」と思ったときは、念のため合意を得るようにしています。人によっては、出会ったばかりの営業に根掘り葉掘り聞かれることを不快に感じるお客様もいるからです。(※最初に色々なお話をヒアリングさせてもらうことは合意を得ている前提です)
例
- ここについてもう少しお伺いしてもよろしいでしょうか?
- ここについてもう少し深く教えてください
また、質問の理由もなしに確認だけとると「なぜ答えなければいけないんだろう?」と不安に感じる場合もありますので、確認する際には「質問の背景」もセットで伝えると納得してもらいやすくなります。
細かいことですが丁寧に合意をとっておくことで、お客様を商談中にモヤモヤさせることなく、納得していただいた上で回答してもらうことができます。
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15. 担当者に合わせて伝え方を変えてみる
商談に参加される担当者のコミュニケーションスタイルはさまざまです。ときには担当者のタイプに合わせて伝え方を工夫することがあります。下記はDiSC®理論と呼ばれる人間の行動傾向を4つに分けて図にしたものです。
- 自分で決めたいと考えているタイプには、選択肢を示す
- ひとりで決めるのが苦手なタイプには、相談ベースで会話を進めてみる
- 自分の見解をもちたいタイプには、事実や根拠などデータを提示する
など、あくまで傾向にはなりますが、お客様のコミュニケーションスタイルに合わせて伝え方を工夫することでお客様が負担を感じにくく、より心地よいコミュニケーションをとることができます。
DiSC®理論について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
16. 担当者の表情を見ながら認識のズレがないか確認する
商談を進めるときに気を付けていることは、認識のズレがないかを確認しながら話を進めることです。商談ではどうしても営業の一方的な説明になりがちなので、「ちょっと違うけど、まぁいいや」と特につっこまれないまま話が進んでしまうことがよくあります。認識が違えば提案内容も変わってしまうので、なるべく早めに気付くことが大切です。
担当者の手や目の動き、表情を見つつ、理解できていなさそうな雰囲気や違和感があれば確認するようにしています。
例
- ○○は○○ということで、認識あっているでしょうか?
確認する際は、確認したい箇所を取りまとめてから認識が合っているか確認します。
17. 主張に一貫性をもたせた提案書を作成する
提案書作成では、主張に一貫性をもたせるようにしています。話し方を極めるのも大事ですが、提案書の見やすさ、伝わりやすさで話の理解度をさらに深めることができるからです。伝わりやすい提案書作成のポイントのひとつとして、主張に一貫性をもたせることで伝えたいことの説得力が増します。
最初から見ても最後から見ても、論理的で辻褄が合う資料が理想です。
18. 提案後は担当者に「所感」を必ず聞く
提案後には、担当者に所感を必ず聞いています。現状の温度感を把握しておくことで、次回までに用意しておく情報がわかり、提案内容を見直ししやすくなるからです。商談の時間に余裕があれば直接聞くこともありますし、電話やメールで確認することもあります。
例
- 現状サービス導入は何%くらい検討されているでしょうか?
- それはなぜでしょうか?
所感を聞いたら、結果が良くても悪くても「なぜその数値なのか?」を聞いておくことも重要です。 どんなところに魅力を感じてもらえたのか、何が足りなくて検討中なのかを知ることができます。
19. 相談できるメンターを一人だけつくる
悩んだときにすぐ頼れるメンターを一人だけ決めています。「一人だけ」にしているのは、過去に何人かに相談したときにそれぞれ回答が異なり、何が正解なのかわからず逆に迷ってしまうことがあったからです。 ちなみに私のメンターは、尊敬している上司のひとりである能村さんです。
Japan Sales Collection 2023で営業ロープレ対決をしている能村さん
能村さんはセレブリックスでは異例の全社MVPを2期連続で獲得し、アカウントセールスの新規受注のうち52%を1人で作り出す凄腕のトップセールスです。成果はもちろんのこと、圧倒的な向上心と社内調整力があるところを特に尊敬しています。
ときには夜遅くまで相談に乗ってくれることもある熱血上司です。 そんな能村さんをメンターにして、信じて思いっきり頼ろうと決めました。わからないことや困り事があればいつでも相談するようにしています。メンターを頼るときに意識しているコツは、積極的に自己開示することです。
- 性格
- なりたい姿、目標
- 得意なこと
- 苦手なこと(例:朝が弱い など)
自分の得意不得意や進みたい方向性を知ってもらうことで、自分により分かりやすい形でフィードバックなどのアウトプットをしてくれます。
20. ロードマップを作成して「いつまでに」「どんな状態」を目指すのか決める
なかなか成果が出なくて自信をなくしていたとき、なんのために自分がこの会社に入ったのか、どこに向かっていけばいいのかわからなくなってしまっていたんですよね。そのときに上司に相談をして一緒にロードマップを作成し、「いつまで」に「どんな状態」を目指すのかを決めました。
実際に比留川さんが作成したロードマップ
たしか2~3時間ほどで作成したと思います。自分の価値観を含めてロードマップを作成するので、単調に見えていた数字にも意味付けができたことで、ただ目標の数字を追っているときよりもポジティブな気持ちで目標に向かって業務にあたれるようになりました。 ロードマップを作成するにあたり、
- 目標やビジョン
- 身につけたいスキルや能力
をまずは洗い出しました。洗い出したことで表面的なロードマップではなく、自分の価値観や理想像に近いロードマップになります。
ロードマップ作成前に行った目標やビジョンの洗い出し
営業スキルの4象限 インパクトの大きさは「営業力のインパクト、与える影響力の大きさ」だそうです ロードマップ作成のコツは、できればメンターと一緒に考えて、意見をもらうこと。うまくいっていないときほど、なかなか客観的に自分のことを見れないものです。自分が想定していたスキルとは別の能力が今は必要だったなど、自分以外の視点を積極的に取り入れるのがおすすめです。 アイディアを出す際は ・今の自分の状況に関係なく、理想を書く ・入社動機を改めて振り返る を意識するのがポイントです。
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21. わからないことは放置せずすぐ解決する
わからないことはできるだけすぐに解決しています。これまでの経験やプライドが邪魔してしまい、わからないことがあってもつい後回しにしてしまう。これは営業経験者ほどやりがちだと思います。でもその時に解決しなかったことで途中でつまずいて、最初からやり直しになって、結局時間がかかってしまうんですよね。
そんなときにメンターの能村さんを見ていて気付いたんですが、彼はわからないことを解決するのがとにかく早いんです。どんなに忙しくてもわからないことがあればすぐ電話をかける。わからないと思った瞬間に電話をかけていました。それを見て自分も真似しようと意識し始めましたね。
- まずはスピード重視でわからないことがあったらすぐに声をかける、電話をする
- 自分の認識があってるかどうかを確認する
- 慣れてきたら1回考えて何がわからないのか具体的に質問する
こんな流れで少しずつ慣れていきました。「こんなことも知らないのか…と思われるんじゃないか」など、余計なことを考えてしまうとますます動けなくなってしまいます。とにかく「思考する前に聞いてみる」を意識してとにかく行動していました。 わからないことをすぐ解決するようになってから、当たり前かもしれませんが仕事の進みが断然早くなりました。
ひとつひとつのスピードが早まるだけでなく、慣れてくると点在していた不明点がつながってきて、自分の中で解決できることも増えてきたんです。 また、これは社内でもよく言われていることなのですが『わからないことは恥ずかしいことではない』ということです。自分が思っているほど相手は何も気にしていないので、まずはわからないことをわからないと自分で認めることが大切だと思います。
最後に
2年でトップセールスになった営業が実践してきたコツを21個紹介しました。ひとつでも参考になれば幸いです。弊社では営業代行サービスや営業研修といった、営業にまつわるサービスを幅広く提供しております。もし営業のことでお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
執筆者:株式会社セレブリックス セールスカンパニー マーケティング統括部 髙田冴夏