優れたターゲットリストを作る4つのポイント
良い商談は、良いリストから生まれます。定型文のアプローチではなかなかアポイント獲得には至りません。ただ、どのようなポイントをおさえてターゲットリストをブラッシュアップしていけば良いのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。そんなときに意識するべき重要な4つの指標が「精度」「鮮度」「具体性」「絶対数」です。この記事では、それぞれの指標においてどのようなポイントをおさえたら良いのか解説します。
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『ターゲットリスト作りのポイント』とあわせて、新規開拓のためのチェックリストもご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。
よい商談は、よいリストから生まれる
そもそも、良いリストとはどんなリストでしょうか。質の高いリスト ✖ 見込み客の多いリスト…。色々ありますよね。セレブリックスの良いリストの定義は以下です。
電話を架ける前に「考えなくて良い」仕組みや状態を作ること。
少し矛盾しているように聞こえるかもしれません。質を追うなら企業ごとのニーズに合わせたセールストークやキラートークを展開したいものです。しかしこうした結論を出すのには、もちろん理由があります。
大前提成果をつくる法則はいつも、「数 ✖ 質」の計算式です。どちらかを犠牲にすると、最大成果に到達できないという前提が付きまといます。ここで大切なのが、リストにあらかじめ訴求内容や想定ニーズを記載しておくこと。アタックするたびに訴求内容や想定ニーズを都度考えていては、電話で不在だった場合やメールの返信がない場合、非効率的です。
一方でコピペの定型文でアプローチしても、アポイントは取れないどころかますます印象が悪くなってしまいます。そのため、その企業ごとのセールストークはリストに記載しておくことが大切なのです。
優れたターゲットリストをつくる4つの指標
勝利をもたらすターゲットリストをつくるために重要な4つの指標があります。
- 精度
- 鮮度
- 具体性
- 絶対数
それぞれ解説していきます。
ポイント①精度
1つ目は精度です。精度とは、ニーズと提供価値のマッチング度合いのこと。つまり、今じゃないかもしれないが、いつかは買ってもらえるリストかどうかを示す指標です。効率を良くするために業種や規模といった企業属性でリスト化や分類化することが多いかと思いますが、本来はニーズ起点でリストアップやリスト精査ができたほうが良いです。
例えば、オフィスデザイン会社の営業をしていると仮定したときに、「オフィスをおしゃれにするのは従業員満足や働き方改革に力をいれている企業なんじゃないか」という起点となるニーズの仮説を立てます。次に立てた仮説をもとに、「働き甲斐のある会社ランキングみたいなものにエントリーしているのではないか?」と彼らの行動を想像します。そして「働き甲斐のある会社ランキング」を探しリストアップしていく、そんなイメージです。
効率が悪いと唱える人が多いですが、ターゲットリストを作成する100時間は投資、ターゲット外に営業している100時間は浪費です。実際に営業をしながら無駄なリストを排除していくという考え方も重要になります。
ポイント②鮮度
続いて鮮度です。食材は鮮度が命という考え方と同じで、リストも常に旬な状態にしておきましょうということです。実は鮮度を守った営業活動というのは、営業側もお客様側も無駄なストレスを減らせるというメリットがあります。
営業活動において、タイミングはとても重要です。「発注いただけた理由はなんですか?」と顧客に聞いたときに、「タイミングがよかった」と言われたことはないでしょうか。部署異動、予算編成のタイミング、リプレイス時期など色々最新情報はありますが、鮮度をキープするために、リストを常にメンテナンスし続けることが必要なのです。
鮮度をキープするには、直接コミュニケーションをとった情報を都度記録することが重要です。何を話して、次にいつ連絡すれば良いのかをきちんと記録し確認できるようにしましょう。
ポイント③具体性
3つ目は具体性です。具体性とは、情報のきめ細やかさや正確さのことです。具体的な情報があるかどうかで営業の難易度は大きく変わります。新規営業において「ご責任者様宛」に連絡するよりも、「〇〇部の〇〇様宛」と具体名を出した方がキーパーソンと話せる確率が上がるというのは想像できるのではないでしょうか。
ここでいう具体性とは、部署や氏名、メールアドレスのような基本情報の記載は前提とした上で、
・想定されるニーズが何か
・なぜあなたに
・今役立てるのか
など、もっと奥深く具体的な内容までリストに記載します。営業電話の一言目でキーパーソンに伝える「なぜ今、あなたに」の内容が具体的であればあるほど「話を聞いた方がいい」と感じてもらえます。
この具体情報を電話をするたびに調べるのはとても非効率的なので、事前にリストに記載し、営業活動に集中できるようにしましょう。
ポイント④絶対数
最後は絶対数です。絶対数とは、目標を達成するための、必要なアタック量を担保できるリストが用意されているかどうかを計る尺度です。以下のようなポイントに注目して絶対数を精査します。
・プロセス変数に基づき逆算して必要リスト数が出せているか
・予測の変数ではなく実数値でメンテナンスされているか
BDRやアウトバウンドと言われるプッシュ型の営業活動の場合は、準備するべきリスト数となります。SDRやインバウンドと言われるプル型、いわゆる反響型の営業活動では獲得するべき必須リード数という考え方です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました!
ここまでのおさらいです。
- よい商談は、よいリストから生まれる
- 電話を架ける前に「考えなくて良い」仕組みや状態を作ること。
- 優れたターゲットリストをつくる4つの指標
- 精度:ニーズと提供価値のマッチング度合いのこと
- 鮮度:リストを常に旬な状態にしておくこと
- 具体性:情報のきめ細やかさや正確さのこと
- 絶対数:目標を達成するための、必要なアタック量を担保できるリストが用意されているかどうかを計る尺度
監修者プロフィール | |
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執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト 株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。 2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。 Everything DiSCの認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。 |