オンライン商談で成果をコントロールする「場づくり」とは?
オンライン商談中、お客様が別の作業をしてそうだな・・・。誰でも一度や二度、そう思ったことがあるのではないでしょうか。セレブリックスが以前取ったアンケートでも、実に7割の人が「商談を受けている最中に別の作業をしたことがある」と回答していました。そんな気持ちの離れやすいオンライン商談で、お客様を引き寄せる「場づくりの技術」をおつたえします。
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オンライン商談の実態
以前、約1,000名の購買者に向けたアンケートを行いました。
営業についての様々なアンケートだったのですが、オンライン商談についての質問でこんな結果が出ています。
アンケートについて |
なぜオンライン商談は気持ちが離れやすいのか
上記アンケート結果のように、オンライン商談は対面商談と比較すると、心が離れたり、集中力が途切れたりする瞬間が多くあります。
例えば、対面商談は物理的に時間が拘束され、万が一話に興味がなかったとしても、相槌を打ち、最後まで話を聞かざるを得ません。余程のことがない限り、商談中に他の人が横入りしてくることもありません。
一方、オンライン商談の場合は内容に興味がもてないと感じた瞬間、別の業務ができてしまいます。 また、在宅で仕事をしていれば家族が乱入してきたり、上司からチャットが送られてきたりすると集中力が途切れることも…。このようにオンライン商談は対面と比較して、状況的に「心が離れる瞬間」が多いのです。
お客様の心が離れてしまうと、反応が薄くなり、営業側が気軽な質問を投げかけにくくなります。そして、質問が減ることで、お客様の自己開示の量が減り、商談がうまくいかなくなってしまいます。
つまり、オンライン商談を成功させるためには、お客様の心離れを防ぐ「オンライン商談ならではの場」を創る営業コントロール術を身につける必要があるのです。
オンライン商談「場創り」のポイント
ここからはオンライン商談を成功に導く「場創り」のポイントを、「導入」「ヒアリング」「プレゼンテーション」「クロージング」の4つに分けて解説します。
導入
導入部分で重要なのは、第一印象です。次の動画を見比べてみてください。
印象がだいぶ変わったのではないでしょうか。
変えたポイントとしては以下の通りです。
- PCの標準カメラではなく、画質の良いものにした
- カメラの位置を上にした(カメラと目線の高さを合わせた)
- 音質の良いマイクにした
- 笑顔でハキハキ話すことを意識した
良い第一印象を与えるチャンスは1回しかありません。
コントロールできる範囲で、ぜひ自分をプロデュースしてみてください。
ヒアリング
商談の肝と言っても良いヒアリングを上手に進めるには、「コンテンツ」がキーになります。 対面商談ではトークが主役でしたが、オンライン商談ではコンテンツを主役にしましょう。
例えば、上記の図のようにあえて空欄のあるスライドをコンテンツとして用意しましょう。 画面共有しながらヒアリングを進めることで、お客様が画面に集中してくれる可能性が高まります。
お客様としても、全体像が見えているので、意図の見えないわかりにくい質問が減り、商談に対するストレスが軽減されます。営業パーソンとしても、お客様と一緒に考え、目の前で記入しつつ聞き出した情報は、抜け漏れダブリや認識の齟齬を減らせますし、一緒に作った情報を次回の資料に差し込めば、前提条件を可視化する提案書の1ページが出来るので業務効率も上がります。
例のようにパワーポイントでしっかり作る必要はなく、ワードでもドキュメントでも構いません。
コンテンツを通して、話題やお客様が自己開示しやすい環境を作ることがコツです。
プレゼンテーション
営業側が一方的に話しがちなプレゼンテーションでは、意図して「注目させるスイッチ」を入れるのがポイントです。
例えば、商談中に「こちらの資料をご覧ください」と問いかけると、多くの場合、相手は画面に注目します。このように「注目スイッチ」を適材適所で活用することによって、お客様の意識を商談に集中させることができるのです。
また、オンライン商談だからこそ、以下のようにパワーポイントに備わっている発表者ツールを活用することで、お客様の「注目スイッチ」をONにできます。
●「こちらの部分・・」とマウスポインターで示しで目線をコントロールする
●「これが重要です」と蛍光ペンなどを使って強調する
●重要な数字などをその場で書いて記録する
●特に伝えたい部分を拡大して、良く見せる/見せたくない部分を見えなくする
クロージング
オンライン商談ならではのクロージング/ネクストアクションを意識しましょう。
対面商談と違いオンライン商談には良くも悪くも無駄がなく、関係性を築きにくいので、意図して接点回数を増やしお客様の信頼を獲得する必要があります。
●お客様と一緒に作戦会議の0.5ステップを準備する
1時間ある商談時間を45分で終わらせ、残り時間で
- 担当者が社内に上申するための資料を一緒に作る
- ヒアリングの際に投影して入力したシートをもとに、次回商談の提案書に意見をもらう
など、次のステップに進むための準備(0.5ステップ)をお客様とコミュニケーションをとりながら進めてみるのも一つの手段です。
●お客様がアクションを起こせる余白時間を作る
オンライン商談・オンライン会議は、対面商談と違い移動の必要がないので、1時間の商談の後に間髪入れず会議が入ることも多くなります。
つまり、時間いっぱいまで商談をしてしまうと、お客様が社内確認のようなネクストアクションをすぐに取れない可能性があるのです。商談から時間が経ってしまうと、提案内容や依頼したToDoに対する熱意は薄れてしまいます。
それを防ぐためにも、例えば商談を10分早く切り上げて、その場で議事録を送り、余白の10分で社内確認を進めてもらうのはとても有効な手段です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
内容のおさらいです。
- オンライン商談は、対面商談と比較してお客様の集中が途切れがち
- お客様の集中を保つには、オンライン商談ならではの「場創り」が重要
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導入
良い第一印象を与えられるように、見え方をコントロールする -
ヒアリング
コンテンツを主役にして、共同作業で資料をつくる -
プレゼンテーション
「注目スイッチ」を意図的に入れ、強弱をつける -
クロージング
お客様と一緒に作戦会議の0.5ステップを準備し、信頼関係を築く
お客様がアクションを起こせる余白時間を作る
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導入